このシステムは6月28日に発表された技術で、携帯電話端末などのモバイル機器をワイヤレスで充電する機器などへの応用が想定されている。実際にはモバイル機器に限らず、照明や装飾品など想定用途は多岐に渡るが、それだけ多くの製品に利用できる理由は、送電モジュール及び受電モジュールが非常に小さいことに加え、ある程度の距離・自由度の高さ、動くものへの給電が可能なことにある。汎用性に富む技術であり、とても期待されているものだ。しかも、量産予定時期は今秋とされており、サンプル価格も送・受電モジュール合わせて980円(10万個受注)と見られている。
携帯電話端末で使った場合、具体的にどういう風に便利になるのか簡単に説明したい。
例えばデスク上に送電用のモジュールが組み込まれた台やシートを置く。充電したい端末には受電用のモジュールを取り付ける。はなからモジュールが内蔵された端末の場合は後付の必要はない。あとは台の上に適当に端末を置けば充電される。しかも、充電可能な端末の台数は1台に制限されない。複数の端末を同時に充電することもできる。さらに、位置の自由度が高い為、可能範囲内であれば、動くものへの充電も可能。その上、送電用モジュールの台の素材にはフレキシブルな樹脂を利用することもでき、様々なデザインを採ることができる。
基本的に接点いらず、ケーブルいらずで適当に置くだけで充電できるので非常に便利だ。
今回のCEATECではこの技術も参考出展されるようなので、関心のある方は要チェックのブースになりそうだ。
また、同社はその他にもいくつもの技術を出展する。出展内容は主に3つのジャンルに分かれ、「Green×Electronics」「Smart+Electronics」「Health Care+Electronics」のテーマ別にブースは構成されるようだ。
Green×Electronics
エネルギーを高効率に変換する電源モジュール、低損失特性でパワーラインを支える多様なキャパシタ、機器のスマートホーム対応や省エネ化に貢献する電子部品など、エナジーセービングという観点からエコを実現する製品や技術。
- キャパシタ・ハウス(セラミック・導電性高分子・電気二重層)
- ワイヤレス電力伝送システム
- LED用電源モジュール
- Smart Energy用無線通信モジュール
- アイドリングストップ対応車載用低電圧駆動DC-DCコンバータ
Smart+Electronics
周囲の状況や人の動作をとらえるセンサや、“つながる”機能を簡単コンパクトに実現する近距離無線モジュールなど、機器のスマート化を実現する製品や技術。また、RFIDやマイクロメカトロニクスなど、機器の機能付加に貢献する製品や技術も。
- VectorPad(多入力デバイス)
- 焦電型赤外線センサ
- 低消費電力無線通信モジュール
- HF帯RFIDリーダーライタモジュール
- 圧電マイクロファン
Health Care+Electronics
指輪型パルスメーターやバイタルサインセンサなど、ヘルスケア機器の高機能化に貢献する製品や技術。
- 指輪型パルスメーター+Bluetooth low energyモジュール
- バイタルサインセンサ
- UVセンサデバイス
- イオナイザモジュール
【情報元、参考リンク】
村田製作所/電界結合型ワイヤレス電力伝送システムの開発
CEATEC JAPAN 2010/村田製作所ブースの紹介