しかし、もっと多くの多種多様なアプリをチェックしたい、という要望を持つ方がいることも確か。今回手にした書籍はその点を満たすものの一つ。
Androidアプリの人力レビューサイトである「アンドロイダー」が著者を務める「(アンドロイド)Androidアプリ事典512」(発行:インプレスジャパン、価格:1,380円)がその書籍だ。レビューサイトが記している書籍だけあり、内容的には同サイトと基本的には被る。しかし、より多くのデータを持つサイト内から、吟味された512件がピックアップされているわけであり、手っ取り早く512個をチェックするには最適だ。価格がそう高くない点もいい。
一方で、アプリ毎の奥深い使い方やコツ、細かい設定情報を求めるユーザーにはこの本は向かない。512件という掲載アプリ数はやはり多く、それだけに説明は概要的なものに留めざるを得ないからだ。Androidアプリの中で、有名どころやオススメアプリだけをザッと確認したい、と考える方向けの書籍になる。
書籍の構成は非常にオーソドックスで、カテゴリ別に分けられている。また、インデックスからアプリ名で直接探してもいい。いずれにしても、迷うことなくアプリを探し出せるだろう。用意されたカテゴリは10。以下の通りだ。
- 01. Web&メール
- 02. 情報収集
- 03. コミュニケーション
- 04. ビジネスツール
- 05. カメラ・写真
- 06. 音楽・動画
- 07. システムツール
- 08. ホーム・ウィジェット
- 09. 日常・エンターテインメント
- 10. ゲーム
カテゴリ構成を見てもわかるように、ゲームアプリに割かれたページは少ない。本書はアプリ紹介ページが約320ページあるが、ゲームについてはその内の約37ページに過ぎない。すなわち、書籍のターゲットはゲームアプリをチェックしたいユーザーではなく、それ以外のアプリを求める層になる。購入を考えるのであれば、カテゴリ構成はもちろんとして、一般アプリとゲームアプリの割合についても考慮に入れておく方がいいはずだ。
現時点でのスマートフォン・ユーザーの年齢層分布は、当サイトで取ったアンケート結果によれば30代が最も多く、その層を中心に20代、40代がほぼ同じ数で次に続く、という山なりの特徴を持っている。ということは、基本的には社会人が大半を占めているわけであり、一般アプリにページ数の大半を割いている点は、多くのユーザーにとって理想的なはずだ。
具体的なページ構成、アプリの紹介形式は下に掲載した画像を参照して欲しい。
アプリをタイトルに持ってきて個別に紹介していくケースではなく、何らかのテーマ別にまとめていく形が採られている。そのため1ページに1アプリということはなく、複数のアプリがまとめて紹介されている。例えば、Twitterクライアントアプリ1つ取っても、当然Android Marketには似たような機能を持つものが複数登録されている。ユーザーはその中から好みにあうものを選択していくことになる。本書では同ジャンルの中からオススメアプリがいくつかピックアップされている。ページ数の関係でどうしても各アプリの紹介文は少なくなってしまうので、その中からの選択はキャプチャ画像から得られる印象や、短い紹介文から判断していくことになる。しかし、Android Marketに登録されているそれ以外の多くのアプリはカットされているので、全てから選別していくよりも手間は省ける。
いずれにしても、Androidスマートフォン初心者だけに限らず、すでに使いこなしている方にとっても512件あれば知らないアプリはあるはず。最近の書籍の中ではよくまとまっているものなので、比較的オススメできると思う。
それでも、書籍レビュー記事の恒例注意事項だが、人それぞれ感じ方が違えば、書籍購入の目的も異なるので、実際に買う場合は手にとって確認されてからをオススメしたい。
下はAmazonの商品リンク。
【情報元、参考リンク】
インプレスジャパン/Android(アンドロイド)アプリ事典521