米ソフトウェア大手Oracleは現地時間12日、米Googleを特許及び著作権侵害で提訴したことを発表した。同社によればGoogleはAndroidの開発にあたり、Oracleが権利を保有する「Java」の特許及び著作権の一部を侵害する行為を働いたという。同社はGoogleがこの侵害行為をわかった上で意図的に、繰り返し行ったと批判している。同社が提訴に至った理由は、侵害行為により負った被害の補償を求めるためだ。同社広報担当者のKaren Tillman氏はプレスリリースの中で「彼らはAndroidの開発過程において、Javaに関する知的財産権の侵害をわかった上で直接的に、しかも繰り返し行った。我々は彼らに適切な補償を求めたいと思っている」と述べている。
具体的に何が問題かといえば、AndroidへのJavaの実装にあるようだ。Androidはモバイル端末向けの標準的実行環境であるJava MEを使わず、独自の仮想マシン「Dalvik VM」を採用している。Dalvik VMはメモリ管理、複数インスタンスの同時作動など様々な点に留意した設計が採られており、携帯電話のようにメモリ環境に制限のある端末での動作に最適化されている。しかし、このJavaの実装周りでOracleから問題が指摘されているようだ。
だが、GoogleがOracleの提訴に対してどのように対応していくのかは現時点では不明。
ここ半年間、Androidは急激な成長を見せ、世界的に存在感を増しているが周辺では課題も残している。特に特許関連の問題は今回のOracleの話だけに留まらない。
米Microsoftも4月にAndroidが同社の特許のいくつかを侵害していると発表した。同社によれば侵害の範囲はユーザー・インターフェイスからOSの基幹部分までの広範囲に及ぶという。しかし、この件はその後騒ぎが大きくなることはなかった。というのも、発表の時点で同社の次席法務顧問であるHoracio Gutierrez氏が訴訟に発展させる意向はないと明確に述べていたからだ。また、Androidスマートフォンのリードメーカーの一つである台湾HTCはMicrosoftと独自にライセンス契約を締結していることも併せて発表されている。
同社は他の端末メーカーもライセンス契約を締結することを望んでいると述べていたが、その後の動きはわかっていない。
しかし、今回の件はMicrosoftの時と大きく異なる。Oracleが実際に提訴の動きを見せたからだ。
Oracleがどこまで戦う意思を持っているのかはわからないが、泥沼化する可能性もある。最終的にどのような決着を迎えるのだろうか。
【情報元、参考リンク】
IntoMobile/Oracle sues Google over Android patent infringements
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