本記事ではこのVoice Actionについて紹介したい。Chrome-to-Phoneについては別途用意したこちらの記事を参照してほしい。
まず機能紹介の前にGoogleが明かした興味深いデータをお伝えしたい。
Androidには音声検索機能がすでに提供されているが、一体どれくらいのユーザーが実際に利用しているのだろうか? その実態は想像しにくい部分があると思う。特に日本のように電車やバスといった公共交通機関での移動が多い場合には、外出時に音声入力しているシーンを見かける機会など滅多にない。というよりも、見たことがない人が圧倒的多数だろう。
ところが、全体としてみればAndroid端末における検索入力の4分の1が音声入力からであることが明かになった。
実に4回に1回の割合でテキスト入力ではなく、音声入力で検索が行われていることになる。このデータには当のGoogle側も驚いたようだ。同社のモバイル・プロダクト担当ディレクター、Hugo Barra氏によればiPhoneではこれほどの割合には達していないという。
さて、これだけ多くの利用者がいる音声入力機能だ。拡張させる理由は大いにある。そこでGoogleはより広い範囲を音声入力で扱うことができるようにした。機能名は「Voice Action」だ。
検索での音声入力に加え、メール・メッセージなどを作成することも可能になった。送信先の指定、本文などを音声で入力し、メールを作成できる。入力された音声の認識率は少なくともアメリカ英語に関しては高いレベルを確保できているという。実際、何らかの誤字があってもその部分だけソフトウェア・キーボードで修正すればいい。おそらく全体的なメール作成時間は減るはずだ。
また、音楽ファイルの検索・視聴などもできる。Google Maps Navigationでのナビゲーション操作や、地図の表示も可能。ウェブサイトの表示や電話の発信、メモ取りだってできる。
ビジネスマンの場合に嬉しい機能は自分用のメモを取ったり、メールやメッセージを作成できる点かもしれない。音声で入力されたデータをテキストの形で出力してくれるため、通常のテキストメモとして扱うことができる。音声データによるボイスメモそのものよりも扱いやすいだろう。
各機能を操作する具体的な音声コマンドは次の通りだ。[]内は任意、その前がコマンドにあたる。
- send text to [contact] [message]
- listen to [artist/song/album]
- call [business]
- call [contact]
- send email to [contact] [message]
- go to [website]
- note to self [note]
- navigate to [location/business name]
- directions to [location/business name]
- map of [location]
残念だがVoice ActionはAndroid 2.2以上のOSを動作要件とする。英語以外の言語への対応も順次行われる予定。
下に紹介したデモ動画で概要は把握できるはずだ。
【情報元、参考リンク】
Google Mobile Blog/Just speak it: introducing Voice Actions for Android