有機ELディスプレイ市場は韓国サムスン電子の子会社Samsung Mobile Display社がほぼ独占している状況にある。市場シェアは約97%と見られている。それだけに急増した需要に答えられるかどうか、携帯電話端末メーカーが有機ELディスプレイの供給を受けられるかどうかはSamsung Mobile Display社の生産能力次第というのが現状だ。
2010年の有機ELディスプレイ市場規模は昨年の約2倍である10億ドルに急拡大。同社の生産能力は高まる需要に追いつかず、この影響により台湾HTCなどは複数の製品の仕様を発売後に変更せざるを得ないことになった。「Nexus One」「HTC Desire」は発売時こそ有機ELを搭載していたが、今ではソニー製のSuper LCDに切り替わっている。
それだけにSamsung Mobile Display社以外のメーカーからの供給も望まれるわけだが、韓国LG傘下のLGディスプレイが年内の量産を目指して準備を進めていることが明らかになっている。朝鮮日報が20日に伝えた。
同紙によればLGディスプレイが生産する有機ELは、親会社であるLG電子、フィンランドの携帯電話メーカーNokiaなどに供給予定になっているという。LG電子の有機ELスマートフォンは来年発売予定だ。おそらくNokiaが同社の有機ELを採用した製品をリリースするのも2011年になるだろう。
とはいえ、LGディスプレイが市場シェアを拡大するにはまだ長い時間が掛かる。Samsung Mobile Display社の生産能力の方が圧倒的に大きいからだ。
しかも、同社も投資を拡大しており、2011年7月には新工場が稼動する予定だ。これにより、3インチサイズのパネルベースで月産3000万枚の生産能力に達する見込み。一方のLGディスプレイは今年第4四半期に月産25万枚、来年第2四半期にようやく同150万枚に引き上げられる。生産能力としてはその時点でSamsung Mobile Displayの約20分の1に過ぎない。
それでも両社が投資を拡大することで1年後には有機ELの市場流通量が大幅に増える。
来年以降はサムスン電子、LG電子以外のメーカーからも有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンが再びリリースされるようになるだろう。
【情報元、参考リンク】
朝鮮日報/LGディスプレー、有機ELを年内量産へ
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