米Appleのスマートフォン「iPhone」がヒットしたことで瞬く間に広まったタッチ操作主体の携帯電話端末だが、スムースな操作を実現する為の大きな役目を担っているのが静電容量方式のタッチパネルだ。従来主流だった抵抗膜圧方式のタッチパネルでは操作に微小な力を必要とするため、指を使ってのスクロール操作、入力操作にやや難がある。
それでも、抵抗膜圧方式のパネルは依然として携帯電話向けタッチパネル市場で大きなシェアを持つ。特に一般普及帯の安価モデルなどでは今も多くの機種で採用されている。とはいっても、時代の流れは静電容量方式で、シェアは拡大基調だ。
タッチパネルメーカーの生産比率も抵抗膜圧方式から静電容量方式のものへと急速に移行し始めている。台湾のタッチパネルメーカーYoung Fast Optoelectronicsの会長TJ Lin氏は、DigiTimesに対して次のように述べている。
「静電容量式のタッチパネルは弊社全体の割合で見れば今のところ19%くらいです。しかし、今年の第4四半期(10月~12月)には30%、2011年には40~50%に拡大するでしょう」
同じく台湾の大手タッチパネルメーカー、J Touchも静電容量式の割合が増えてきたと明かしている。同社の生産比率はこれまでは抵抗膜圧方式が約80%、静電容量方式が約20%だが、今年後半には静電容量方式が45%程度にまで上がる見込み。そして2011年には静電容量式の割合が50%を超えると見られている。
両社とも、2011年には製造するパネルの約半数が静電容量方式になると踏んでいる。市場に出回る携帯電話端末におけるタッチパネルの採用比も同様に静電容量方式へと大きく流れていくはずだ。
それでも、しばらくの間、抵抗膜圧方式の端末も残るようだ。Lin氏はエントリー・レベルの製品、2.8インチ以下の端末などでは、抵抗膜圧方式のパネルが残るだろう、と述べている。
【情報元、参考リンク】
DigiTimes/Capacitive touch panels to take 40-50% share in handset market in 2011, says Young Fast
Photo: DeclanTM.
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