ユーザーの多くには周知の通りAndroid Marketの登録アプリ数は急激な増え方を示している。5万に到達しておめでとう!と言っていたのはまだ最近のことだ。先月も「まもなく8万に到達」という記事を書いた。ところが、8万で騒ぐのはもう意味がない。今月中に早くも10万を超えることがわかったからだ。アプリ数のデータを公開しているAndroiLibによれば、現在のペースが継続する限り、今月中に10万を超えるという。何と言うスピードだろうか。数だけで言えば、ライバルプラットフォームに対して十分以上の存在感を示すまでになったと言っていいだろう。
Android陣営にとってのライバル、米AppleのiPhoneのアプリ数は225,000を超えている。これは6月7日に開催されたイベント「WWDC」において「iPhone 4」の発表時に公表されたデータによる。今現在はさらに数が増えているはずで、Android Marketの倍以上のラインナップだ。しかし、一般消費者にとっては10万も20万も多すぎて感覚的には実体を掴めない数字であることに変わりない。結局のところ、その中の有力アプリ、有名アプリはせいぜい数百というのが実情のはずだ。
その為、ここまで来るとApp Storeとの比較も数よりも質に移って来る。
Appleの場合はアプリの審査があることもあり、程度の低すぎるアプリや危険なものは基本的にマーケットに乗らない。しかし、Android Marketはほぼ自由だ。最近になってから、意味の無いアプリや危険なアプリが多数存在しているとの批判的論調も増えてきた。我々一般消費者が実際にそういうアプリと遭遇する機会は少ないとは思うが、存在することは確かだろう。
質という点で言えば、「ゲーム」の分野に限ってみても、有力デベロッパーの多くがiPhoneへの参入を開始している現状と比較すると、Androidアプリに取り組む企業はまだ少ない。徐々にその流れはできつつあるが、十分ではない。
それ以外のジャンルに関してもそうだ。特にマルチプラットフォーム戦略でiPhone版とAndroid版のアプリをリリースしている例を考えてみよう。iPhone版の方が機能面が整っている場合が多い。どうしても現状ではAndroid版は後回しといった感が強く、両方を比較してみるとAndroidユーザーにとっては不満の声が口をついて出る状況だ。
結局のところ、先行するApp Storeはやはりまだ先を言っている。
しかし、数が10万に到達することはAndroidがある程度追い上げたことの証でもある。ここより先はいよいよ質の勝負だ。今後は全体の数の増加よりも、有力デベロッパー参入の話題や、質が高くオリジナリティ溢れるアプリの登場の話題の方がより重要な意味を持ってくるはずだ。キラーアプリが複数登場することでAndroid陣営の追い上げの大きな後押しになることは間違いない。
できるだけ多くの有力デベロッパーが参入することが必要であり、その流れが加速することを期待したい。現実にその流れはすでに始まりつつあるし、Android搭載端末が広まることで流れはより加速する。
とはいえ、ここまで書いて来た事に反するが、実際のところは実用上必要なアプリは一通り揃っている。そのため、現時点でもAndroidは十分以上に強力になってきているし、その上で10万突破を目前にした今の状況を祝いたいところ。そして今後、質が高く、良いアプリが一つ一つ増えることで、より便利で楽しい存在になってくるはずだ。
【情報元、参考リンク】
AndroLib/Accumulated number of Application and Games in the Market
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