楽天は26日、プラスワン・マーケティングが「フリーテル」ブランドで展開する国内MVNO事業を承継すると発表した。11月1日を効力発生日(予定)として会社分割の方法により承継する。プラスワン・マーケティングはフリーテルの展開においてスマートフォンの設計・製造にも取り組んでいたが、MVNO事業を楽天に売却する一方で、端末の設計・製造は残し、その事業に特化するという。
楽天は「楽天モバイル」ブランドでMVNO事業に取り組んでいるが、業界では3位につけている(MM総研調べ。2017年3月)。いわゆる「格安SIM」「格安スマホ」と呼ばれる事業において、楽天モバイルは比較的後発だが、楽天が運営する様々なサービスとの連携や、楽天が実施する魅力的なセールキャンペーン、そして料金プランでの特徴などもあってシェアを拡大しつつある。
フリーテルは業界5位で、比較的早い時期から格安SIM/スマホ事業を営んでおり、端末の製造にも取り組んできた。しかも、昨今は海外市場への端末供給も行うなど、参入市場を広げてきた。芸能人を起用してのプロモーション展開など、目立つ動きをしていたので、認知度も向上していたはずだが、業績としては厳しい状況にあったようだ。
現在の国内格安SIM/スマホ市場は非常に多くのプレイヤーが参入する戦いの激しい市場である上、大手通信事業者のグループ会社が強い。特にソフトバンクグループのワイモバイル、KDDIグループのUQコミュニケーションズなどはテレビCMも多く、料金プランも無難で、それでいて通信品質も良く、他社が競うには難しいほどの強さを持っている。
とはいえ、今後もしばらくは継続的な成長が予測される市場だけに、楽天がフリーテルを買収し、MVNO事業を強化するのは、大きな動きだと言える。
ただ、楽天はフリーテルブランドは残し、楽天モバイルと併せて提供していく予定のようだ。
また、両社は今後、事業シナジーを検討すべき、協業に向けた取り組みも進めていくという。
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・楽天/プレスリリース
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