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【せう先生のスマホ講座】第74回:もう次のバージョンが……。「Android O」では何が変わる?(その3)

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。暑い日が……と思いきや、ここ数日は涼しい日が続いています。エアコンのない家に住んでいる筆者としては大変ありがたいですが、米の収穫に影響しないかどうかすごく心配です。

<▲図:ついに正式版が発表へ……!>

Android 8.0になると思われる「Android O」ですが、8月21日(アメリカ東部時間)にニューヨークで発表会(https://www.android.com/eclipse/#live)をすることになったそうです。ここで、「O」の意味するところが分かると思われます。このバージョンではコードネームの公募はしないことも確定したことになりますね()

それはさておき、前々回(こちらの記事)、前回(こちらの記事)と、Public Beta版を使ってAndroid Oの新機能を紹介してきましたが、今回もその続きです。


■ピクチャーインピクチャー(PIP)のサポート(アプリの対応も必要)

<▲図:対応アプリでピクチャーインピクチャーに対応>

一部のメーカー製のAndroid端末では、アプリの上に別のアプリをオーバーレイ(上乗せ)して表示する「ピクチャーインピクチャー(PIP)」を独自実装しています。また、OSレベルでも「Android TV」のプラットフォーム限定ですがPIPに対応しています。

Android Oではスマートフォンやタブレットなど、Android TV以外のデバイスでもOSレベルでPIPをサポートしています。ただし、Public BetaではPIPに関するパーミッション(許可)をアプリに与えること自体はできるのですが、標準ではPIPが有効になっていません。また、アプリ側にも対応が必要となります。


■起動の高速化

<▲図:OSの起動が高速化します>

Android OではOSの最適化が進み、電源オフからの起動と電源オプションからの端末再起動が高速化しました。通常、再起動をする機会はそれほどないと思いますが、システムの安定性を重視してよく再起動する人にはありがたいはずです。

ちなみに、OS自体のセキュリティも向上しています。


■BluetoothのA2DPプロファイルで使える圧縮方式(コーデック)が追加

<▲図:「aptX」「aptX HD」や「LDAC」も使えるようになりました>

Bluetoothのオーディオ出力用プロファイル「A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)」では、音声を圧縮して伝送します。プロファイルで標準の圧縮方式(コーデック)は「SBC(Sub Band Codec)」で、それ以外のコーデックはオプションとなっています。Bluetooth対応のAndroid端末では、メーカー独自実装でSBC以外の圧縮方式に対応していることがあります。

Android Oでは、BluetoothのA2DPプロファイルにおいてOSレベルで以下の圧縮方式にも対応します。

・AAC(MPEG-2/MPEG-4の標準音声圧縮方式の1つ)
・aptX(CSR【現・Qualcomm】が開発した独自の音声圧縮方式)
・aptX HD(aptXの上位版)
・LDAC(ソニーが開発した独自の音声圧縮方式)

AACはiOS8iPhoneやiPad)が独自対応していました。「iPhoneで高音質!」をうたっているA2DP対応デバイスでの再生品質が向上することが期待できます。

aptXは標準のSBCよりも音声の遅延が少ないことが特徴です。Qualcommチップセットを搭載するAndroid端末なら対応していることが多く、Windows 10でもOSレベルで対応していることもあり、対応機器が急速に増えています。

aptX HDはaptXから伝送できるビットレート(データ容量)を拡張したもので、CD-DA(Compact Disc Digital Audio)規格を上回る48kHz/24bitの「ハイレゾ」音声伝送が可能です。こちらも対応機器がちらほら出てきています。

LDACはaptX HD以上の伝送ビットレートに対応していて、96kHz/24bitの「ハイレゾ」音声伝送が可能です。従来はソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」やソニーのBluetoothサウンドデバイスにしか対応していませんでしたが、ソニーが外部企業にもライセンス供与するようになったため、ようやくソニー以外のBluetoothオーディオデバイスでも対応が始まりました。

メーカーが独自実装しなくても、より高音質なBluetoothオーディオデバイスを使いやすくなったという点でかなり歓迎すべきことです。

ということで、Android Oの主な変更点は以上です。8月21日の発表会で、さらに新たな機能は追加されるのでしょうか。楽しみです。




記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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