<▲図:Android 8.0のコードネームはOreo> |
さて、今回の正式発表では「O」で始まるコードネームが「Oreo(オレオ)」になったことが明らかにされた。Androidのコードネームはお菓子の名前が付けられるのが慣例だが、過去には公募されたこともある。しかし、今回は日本でも多くの人に愛されるオレオに決まった。
そのAndroid 8.0 Oreoは、年末までには各メーカーから搭載機種がリリースされる見込み。もちろんGoogleの「Pixel」「Nexus」の一部機種への配信は近いうちに行われるので、先行して体験可能だ。
Android 8.0 Oreoのテーマは「Open Wonder」。おそらく搭載端末でまず最初に気づく違いは、起動時間の短縮。電源がオフの状態からの起動がGoogle Pixelでは約2倍の速度になる。すなわち約半分の時間で起動できる。これは再起動に関しても同じ。そしてもちろん他の機種でも同じように起動時間が短縮される。
また、「ピクチャー・イン・ピクチャー」がOSレベルでサポートされる。いわゆる小窓表示機能で、他のアプリを使いながらオーバーレイで他のアプリの画面を小窓表示できるので、パソコンの使い勝手に近づく。Android 7.0では画面を分割して2つのアプリを同時に扱える「マルチウィンドウ」が実装されたが、今回はマルチタスク機能がより進化したことになる。従来はパソコンでしかできなかったことがAndroidではかなりできるようになっている。
例えばビデオ通話画面を小窓表示しながらSNSをしたりウェブサイトを見たり、といったことが手軽にできる。
<▲図:ビデオ通話をピクチャー・イン・ピクチャーで小窓表示しながらカレンダーを表示している画面例> |
ただし、ピクチャー・イン・ピクチャーはマルチウィンドウと同様、アプリ側での対応も必要なので、非対応アプリでは利用できない。とはいえ、ピクチャー・イン・ピクチャーでの利用が明らかに便利だと考えられるアプリでは徐々に対応してくれるはずだ。
日常利用する上で非常に大きな恩恵を受けそうな機能に「Copy-Less-Paste」がある。
現在はテキストをコピーする際、コピーしたい位置に指を合わせて長押しをし、それから選択範囲を選ぶ。Android 8.0ではコピーしたい位置をダブルタップするだけでAIが上手い具合に範囲を選んでくれる。そのため選択範囲を調整する手間が減りそうだ。しかも、その内容に応じたコンテキストメニューも表示されるようになる。これはどういうことかというと、そのコピーテキストを使いそうな用途のメニューを提示してくれる、というもの。例えば住所をコピーしようとした場合、「Google Maps」で開くためのメニューもあわせて表示する、といったようにだ。
同じように日常使う上で便利な機能として「オートフィル」の実装もある。
オートフィルはいわゆる自動入力で、Chromeで様々なサイトでのIDやパスワードなどを保存して自動入力してくれるように、アプリでの自動入力も可能となる。下に掲載した参考例ではTwitterアプリでの自動入力ができるようになっている。同じように他のアプリでもIDとパスワードを保存し、自動入力できるのでかなり便利になるはずだ。
<▲図:Chromeでのオートフィルと同じように他のアプリでも自動入力ができるように> |
通知パネルの機能拡充や省電力機能の強化、絵文字の強化などもある。
<▲図:絵文字の種類が増え、デザインも変更に> |
オーディオ関係では、BluetoothのA2DPプロファイルにおいて以下の圧縮方式にも対応することも大きな魅力だ。
・AAC (MPEG-2/MPEG-4の標準音声圧縮方式の1つ)
・aptX (CSR【現・Qualcomm】が開発した独自の音声圧縮方式)
・aptX HD (aptXの上位版)
・LDAC (ソニーが開発した独自の音声圧縮方式)
LDACに関してはソニーから対応スピーカーなど関連製品が色々と販売されているので、今後は「Xperia」シリーズ以外のスマートフォンでもLDACを利用できるようになるのは嬉しい。
Android 7.0でモバイルOSとしてはかなり完成形に近づいた気がするが、Android 8.0ではさらに理想形へと進化している。搭載機種の日本市場での発売が待ち遠しい。
個人的な話ですが、久しぶりにオレオを食べたくなりました……。結構長い間食べていない気がしますが、クッキーの間に挟まったクリームが美味しいですよね。
【情報元、参考リンク】
・Android 8.0公式サイト
・GAPSIS/せう先生のスマホ講座 第72回:もう次のバージョンが……。「Android O」では何が変わる?
・Amazon.co.jp/ナビスコ Oreo(オレオ)