Gear VR(写真ではGalaxy S6をセットしている) |
Gear VRは過去にも何度か紹介しているし、持っている方もいると思うので、今更? と感じる方もいるかもしれないが、実は一般ユーザー向け製品の登場は今回が初で、これまでに出た製品は開発者向け製品だった。
最も初期の製品は日本未発売の「Gear VR Innovator Edition」で、2014年12月に発売されている。第二弾が日本市場にも投入された「Gear VR Innovator Edition for S6」で、今年5月に発売された。今回の製品は第三弾にあたり、初のコンシューマー向けモデルとして12月18日に発売となる。
発表会場のデモ機にはアイドルのライブ映像がセットされていた。
実際に会場にいる感覚を味わえるのでテンションも上がる。
実際に会場にいる感覚を味わえるのでテンションも上がる。
Gear VRは「Oculus Rift」で知られるOculusが開発協力しているVRヘッドマウントディスプレイで、搭載されたセンサーを活かし、頭の動きに合わせて映像の視点が切り替わるバーチャルな映像体験ができるアイテムだ。さらに、純粋に3Dコンテンツを楽しむヘッドマウントディスプレイとしても利用できるし、3DやVRにこだわらずに2Dコンテンツを視聴するアイテムとして利用しても構わない。
Galaxy S6 edgeをこんな感じでつけている。
注意したいのは一般的なVRヘッドマウントディスプレイと違い、Gear VRはGoogleの「Cardboard」や「ハコスコ」などのようにそれ自体にはディスプレイがなく、スマートフォンをセットして使う製品だということ。
しかも、Cardboardやハコスコなどは基本的にメーカーに縛られず、サイズさえ合えば様々なメーカーのスマートフォンを利用できるが、Gear VRの場合は「Galaxy S6」と「Galaxy S6 edge」(edge+含む)、「Galaxy Note5」(日本未発売)にしか対応していない点に気をつけなければならない。
Gear VRとGalaxy S6/S6 edgeの接続はmicroUSB端子で行う。ホルダーのヒンジ部分にmicroUSBコネクタが用意されているので、そこにGalaxyを接続し、ホルダーにパチッとセットする。
microUSB端子でGalaxyを接続する。ご覧のようにボディの構造上、
セットできるスマートフォンが限られる。
セットできるスマートフォンが限られる。
スマートフォンをセットしてしまうと、スマートフォンの画面はタッチできなくなってしまうので、代替操作手段として、Gear VRの右側には操作パッドが用意されている。この操作パッドでスマートフォンを操作できる。また、ゲームをプレイしたい場合は、Bluetoothゲームパッドなどを使えばいい。
操作パッドは凹凸が付いているので手探りでも操作できる。 |
反対側にはロゴ。Oculusの名もしっかりと記載されている。 |
スマートフォンにも各種センサーは搭載されているが、Gear VR自体にも搭載されている。ジャイロセンサー、加速度センサー、近接センサーを搭載しているので、ユーザーの頭の動きをしっかりと認識し、Galaxyにフィードバックする。わざわざGear VR側にもセンサーを搭載しているのは、頭の動きに対する映像フィードバックの遅延を最小限に抑えるため。スマートフォンのセンサーを使う場合はどうしても頭の動きと映像の視点切り替えに遅延が生じてしまうということだが、Gear VRにセンサーを搭載することで20ms以下に遅延を抑えることができる。おそらくVR酔いも少なくなると思う。
固定はストラップで行う。これが横向きのメインストラップ。
Gear VRを頭に装着する際の固定具はストラップで、2つ用意されている。写真では横向きのストラップのみが写っているが、パッケージには頭頂部をカバーするトップヘッドストラップも同梱されている。横向きのストラップだけでは固定が甘い、という場合はトップヘッドストラップも装着すればいい。
メインストラップの中央とGear VR本体中央には トップヘッドストラップを装着できるジョイントが用意されている。 |
実際に被った感じでは、よほど激しい動きをしない限りは横向きのストラップだけで十分だと思う。Gear VRはそれほど重くない(約318g)ので、大丈夫だろう。装着感も悪くない。やはりCardboardやハコスコなどの簡易的なVRヘッドマウントと比べてしっかりした作りだ。ちなみにサイズは約201.9×116.4×92.6mm。
パッドがしっかりしているので顔にしっかりフィットする。
ちなみにメガネを掛けた状態でも装着できる。
ちなみにメガネを掛けた状態でも装着できる。
視野角は96度で、瞳孔間距離は54-70mmの間で調節できる。この調節はGear VRの上面に用意されたダイヤルを回して行う。メガネを掛けた状態での装着も可能だ。
瞳孔間距離を調節するためのダイヤル |
Gear VRにはスピーカーは搭載されていないので、音はGalaxyから出るが、実際に映像やゲームを楽しむときはBluetoothヘッドフォン/イヤフォンを使えばベストだろう。
気になるのはVRコンテンツだが、まずは132のコンテンツが提供される。今後拡充される予定なので、ある程度はVRコンテンツを楽しめると思う。パートナー企業としてバンダイナムコグループやスクウェア・エニックス、コロプラ、サイゲームスなども名を連ねているので、各社に期待したいところ。
Gear VRで利用できるコンテンツの紹介パネル |
また、Google Playには幾つかVRコンテンツが用意されているし、YouTubeなどにはサイドバイサイドの3D動画もあるので、それらも楽しむことができる。
さらに、サムスン電子としては、メーカーによって用意されるVRコンテンツだけでなく、ユーザーの自作コンテンツを楽しんで欲しいようだ。リコーの360度カメラ「THETA」を使って撮影したコンテンツをFacebookにアップロードし、それをGear VRで楽しむ、ということを想定しているという。確かにこれがメイン用途になればコンテンツ不足に悩むことも無くなるかもしれない。
なお、販売価格は開発者向けモデルの半額程度になるということで、1万円台中盤くらいが想定されている。もう少し安ければ、と思わないこともないが、開発期間が掛かっていることや、操作パッドやセンサーなどを装備していることを考えると妥当なのかもしれない。
今回の発表会のレポート記事は下記の通り。
・Galaxy Viewのレポート記事
・Gear S2のレポート記事
・Gear VRのレポート記事
・Galaxy A8のレポート記事
【情報元、参考リンク】
・Gear VR製品ページ
・Amazon/Gear VR検索ページ