AndroidスマホでもMicrosoft Office! |
それはさておき、半年ほど前のスマホ講座でご紹介した「Microsoft Office for Tablet」のことを覚えているでしょうか? 「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」のAndroidタブレット版の総称です。
バージョンアップの過程で、Intelプラットフォームの(Intel AtomなどをCPUに採用する)Androidタブレットへの対応が行われ、さらにスマートフォンにも対応し、「Microsoft Office for Android」になりました。今回のスマホ講座では、Androidスマホ対応を果たしたMicrosoft Officeを簡単にご紹介します。
■まずはダウンロード&インストール!
スマホもタブレットもGoogle Playからダウンロード
ダウンロードはGoogle Playから行います。リンクは、以前ご紹介した「for Tablet」のものがそのままスマホ・タブレット共用の「for Android」に置き換わっています。
・Microsoft Word
・Microsoft Excel
・Microsoft PowerPoint
Word for Androidは未だに100MB以上のサイズ(7月27日現在) |
アプリサイズは最適化が進み、ExcelとPowerPointは100MBを切り、90MB台前半~半ばになりました。一方、Wordも容量は削減されたものの、まだ100MBをちょっぴり超えています。そのため、Wordについてはモバイルネットワークでダウンロードしようとすると警告が出ます。ExcelとPowerPointは警告が出なくなったものの、実用系アプリとしては重量級であることには変わりないので、できる限り、自宅のブロードバンドを使ってダウンロードすることをお勧めします。
システム要件は、先述のとおりIntelプラットフォームへの対応と、スマホへの対応で、以下のようになっています。
・OS:Android 4.4以降(現在のところ「Android M(仮称)」には未対応)
・プラットフォーム(CPU):ARMアーキテクチャまたはIntelアーキテクチャ
・システムメモリー(RAM):1GB以上
■フル機能を使うには「Office 365」のサブスクリプションが必須
フル機能を使うには、Office 365のサブスクリプション(購読)が必要なのは変わらず |
Office for Androidのアプリ説明には「本物の Microsoft Word(Excel、PowerPoint)」と書かれています。Office(というよりWindows)で標準的な「MSゴシック」「MS明朝」「MS Pゴシック」「MS P明朝」「メイリオ」といったフォントは普通に表示できますし(※)、表組みや書式の再現性はかなりのものです。ただし、オプションフォント(HGフォントなど)は非対応なので注意しましょう。
(※)メイリオは初回起動時に追加ダウンロード、それ以外のフォントは使われているOfficeドキュメントを読み込んだ際に追加ダウンロード。
しかし、for Tablet時代と同様に、一部機能を使うにはMicrosoftアカウント、全機能を使うには「Microsoft Office 365」のサブスクリプション(購読)契約が必要です。for Androidのプレミアム機能は、for Tabletのころと変わっていません。iPhone版やiPad版はもうちょっと機能が多いことを考えると、Microsoftにおかれましては、もう少しAndroidにも注力してほしいところですね(
▼Office for Androidで提供される機能
フォームファクター(筐体) | ||
スマホ、 7インチ~10.1インチの タブレット | 10.1インチより 大きい画面の タブレットなど | |
ドキュメントの閲覧 | サインイン不要 | サインイン不要 |
ドキュメントの新規作成、 基本的な編集・保存 | Microsoftアカウントまたは Office 365契約が必要 | Office 365契約が必要 |
プレミアム機能 (追加機能) | Office 365契約が必要 | Office 365契約が必要 |
▼Office 365サブスクリプションでサインインすると追加されるプレミアム機能
Word | ・変更の記録・確認 ・ページ向きの変更 ・ページ区切り・セクション区切りの挿入 ・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示 ・ページレイアウトで「列」を使用できる ・ページごとのヘッダー ・フッターのカスタマイズ |
PowerPoint | ・スライドショーからインク注釈を保存 ・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示 |
なお、Office for Androidで作成したドキュメントを商用利用する場合は、適切なOffice 365サブスクリプションが必須なことも変わっていません。最近のWindows PCにプリインストールされていることが多い「Office 365 Solo」でも、for Androidのプレミアム機能に対応していますし、商用利用もできます。最近、Office 365 SoloつきのWindows PCを買った、という方は是非お試しを!
■見た目はスマホ向けにカスタマイズ
Office 2013ベースの見た目だが、スマホ用にカスタマイズされている |
Word |
ユーザーインターフェイス(UI)はfor Tablet時代同様、Office 2013のそれの雰囲気を引き継いでいます。タブレットで起動したときは、以前の講座でご紹介したようなUIになりますが、スマホの場合、画面がより小さくなることから、それに合わせたカスタマイズが施されています。(要MicrosoftアカウントまたはOffice 365サブスクリプションですが)新規作成時のテンプレートもしっかり用意されています。
もちろん編集も可能 |
印刷やPDF形式での出力もOK |
標準フォントを使えば、それこそ表示の再現性はおどろくほど高いです。出先でのドキュメントの確認、HDMI(MHL)(こちらの記事を参照)やMiracast(こちらの記事を参照)でPowerPointでプレゼンテーションする用途にも十分耐えられます。ドキュメントは、PDF形式で出力できますし、「Googleクラウド プリント」を利用して対応するプリンターを使って印刷することもできます。編集機能も、思っている以上にしっかり動作します。特殊な機能(ActiveXコントロールの埋め込み、Excelでの背景画像読み込みなど)を使っていなければ、これにキーボード(と、できればマウス)さえあれば、十分なんじゃないですか、っていう印象です。画面が(PCやタブレットと比べて)小さいことをどう捉えるか次第ですが、万が一の時の編集用途には便利なことは間違いなさそうです。
各種クラウドドライブにも対応 |
ファイルは、ローカル(端末)にあるものだけではなく、オンラインストレージにも対応しています。「OneDrive」(Businessアカウントにも対応)、「SharePoint」「Dropbox」にあるファイルは直接読み込み・保存が可能です。「Google Drive」や「Box」など、ほかのオンラインストレージにもOS機能を介して対応できます。自分のような(半)フリーライターはOneDriveやDropboxなどでファイルをやりとりすることも少なくありません。クラウドストレージから直接データを読み込んだり編集できたりすると、緊急対応時に非常にありがたいんですよね。
ということで、スマホでも本格的なMicrosoft Officeを使えるようになりました。皆さんも是非試してみて下さい!!
記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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本コラムは毎月第1・第3金曜日更新予定!
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