Speed Wi-Fi NEXT WX01(ディープブルー) |
このWX01は、「4x4 MIMO(フォーバイフォー マイモ)」という技術を使って、WiMAX 2+において下り(受信時)最大220Mbpsに対応するモバイルWi-Fiルーター。1月30日に発売になった「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)とは同じ「最大220Mbps対応」でも利用している技術が異なる製品だ。W01は「キャリアアグリゲーション」(以下、CA)と呼ばれる技術を使っている。
今回、このWX01をUQコミュニケーションズから借りることができたので、早速試用レビューをお届けしたい。ただし、実は借りたのは3月4日の話で、まだ2日、実質数時間しか触っていないので、速度やエリアについて徹底的に確認できなかった点についてはご了承頂きたい。
もう暫く使ってみてから改めて速度やエリア面でのレポートをお届けするつもりだ。また、WX01の購入レポートも用意する予定なので、そちらも参照して頂ければ幸いだ。
下り最大220Mbpsのサービスについては始まったばかりということもあり、以下、概要含めて紹介していきたい。
《4x4 MIMOとCA、WX01とW01》
先ほど少し触れたように、WiMAX 2+の「下り最大220Mbps」というサービスは、実は採用している方式違いで2種類ある。4x4 MIMOによる220Mbpsと、CAによる220Mbpsだ。この2つは異なるので注意が必要だ。
どちらも同じ「下り最大220Mbps」だが、4x4 MIMOは基地局側とルーター側でそれぞれ4本ずつのアンテナを使って同時に通信して速度を向上させる技術で、既存のWiMAX 2+の基地局設備は一部を除き、すでに4x4 MIMOに対応している。そのため、3月5日からWiMAX 2+エリアで一斉対応しており、下記リンク先(PDF)の地域以外のエリアでは4x4 MIMOが利用可能になっている。なお、これはあくまでも現時点のものだ。
→WX01での下り最大110Mbps対応地域(220Mbps非対応地域)一覧(PDF)
基本的に4x4 MIMOについては既にWiMAX 2+のエリアで使えるようになっている、ということだ。
一方、CAは2つの周波数帯で同時に通信を行うことで速度を向上させている。具体的には20MHz幅と20MHz幅の周波数帯を使っている。これは、従来の基地局設備では対応できないので、目下整備が進められている。2月19日から順次エリアが広がっており、対応エリアでのみCAによる下り最大220Mbpsを利用できるようになる。3月末までの時点でCAによる下り最大220Mbpsに対応する予定のエリアは下記リンク先のPDFで確認できる。
→CAによる下り最大220Mbps対応エリア(PDF)
この一覧を見てもらえば分かるように、実はCAによる下り最大220Mbpsのエリアには、当初は東京都や大阪府といった大規模都市圏が入っていない。そのため、W01の場合、いつCAによる下り最大220Mbpsを利用できるようになるのかはユーザーの生活圏のエリア次第ということになる。W01のハードウェア自体は、3月末に配信予定のファームウェア・アップデートを適用することでCAに対応する。
とはいえ、UQコミュニケーションズは2016年にはWiMAX 2+で、さらに倍となる下り最大440Mbpsのサービスを提供する予定だ。これは4x4 MIMOとCAを組み合わせることで実現する。当然ながら、実現するためにはCAのエリア整備が済んでいる必要があるので、急ピッチで整備が進められることは想像に難くない。そのため、W01でも遅くない時期に多くのエリアでCAを利用できるようになるはずだ。
《料金プラン、通信量、速度制限》
2月20日からWiMAX 2+では新プランが登場し、旧プランでも内容の改定があった。これに準じ、ニフティやGMOとくとくBBなどのMVNO各社でもプランが変更されている。新プランは「UQ Flat ツープラス ギガ放題」で、旧プランは「UQ Flat ツープラス」。違いは料金と月間データ量の上限設定だ。
新プランの料金は2年間、月額4,380円(※3ヶ月は別。後述)で、旧プランは2年間、月額3,696円。どちらも2年経過後はプラス500円になる。また、新プランは最初の3ヶ月間はお試し期間として割引料金の月額3,696円で利用できる。この期間中に、自分が実際にどれくらいの通信を行っているのか確認し、新プランを継続するか旧プランに移行するのかを決めよう、という考えだ。
というのも、旧プランは月間データ量の上限が7GBと設定されてしまっていて、それを超える通信を行った場合には、月末まで速度制限が掛かるからだ。7GBを超える機会が多い方は新プランに、そうでない方は旧プランでいいだろう。新プランの場合は月間データ量の上限がない。
そして、新プランと旧プランは違約金無しで月単位での切り替えができるようになっているので、状況を見ながら変えていくのも一つの手だ。
また、どちらのプランも4月以降は直近3日間でのデータ量が3GBを超えた場合に、翌日にかけて最大700kbpsに速度が制限されるようになる。この点にも注意が必要だ。
《Speed Wi-Fi NEXT WX01》
■パッケージ
写真に写ったパッケージはレビュー用に借りたものなので、マニュアル類がないなど、製品版とは異なる部分があるので注意してほしい。製品版のパッケージにはWX01本体、ACアダプター、microUSBケーブル、取扱説明書、保証書が入る。
パッケージ内容。ただし、これは今回借りたものであり、 製品版ではマニュアルなども加わるのであくまでも参考程度に。 |
■WX01本体
NECプラットフォームズ製のWiMAXルーターと言えば「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」以来となる新モデルだが、個人的にはWX01のデザインは気に入っている。NAD11の方が薄いが、WX01の方が上質感がある。ただし、ボディの厚さは約9mmと、少し厚くなっている。サイズは約109×66mmだ。
ディープブルーモデルのブルーは適度に深い色でかなりカッコいい。 |
ボタン類は側面にはなく、前面のディスプレイエリア下部に集約されている。その部分に電源ボタン、「SET」キー、「SECELET」キーが用意され、ここで大体の操作や情報表示、設定ができるようになっている。下面にmicroUSB端子、左上の角にストラップホールがある。
下面にmicroUSB端子、上面には特になにもない。上面左角にストラップホール。
左側面と右側面にも何もない。
ストラップホールがあるのは嬉しい。 |
背面カバーは開けることができるようになっていて、バッテリーも自分で取り外しできる。バッテリーの容量は2,500mAhで、公称ではWiMAX 2+(ハイパフォーマンスモード)で約400分、省電力モードで約520分の連続通信が可能とされている。バッテリーの持ちについては、まだあまり使っていないので、後日別記事でレポートしたいと思う。
背面カバーは取り外すことができるので、バッテリーも交換可能だ。
ちなみにバッテリーを取り外すとSIMカードスロットがあり、SIMカード(au Micro IC Card(LTE))の出し入れができるようになる。
カラーバリエーションはディープブルーとパールホワイトの2色で、ディープブルーは3月12日、パールホワイトが5日発売だ。
パールホワイトモデル
■本体メニュー
本体のディスプレイにはWiMAX/WiMAX 2+の電波状態、Wi-Fiの接続状態、バッテリー残量、月間データ通信量が表示される。通信量の表示は、設定でオンにする必要があるが、それも本体操作のみでできる。
「SELECT」キーを押すとメニューが表示され、「無線LAN帯域切替」「LAN側無線選択 Wi-Fi/Bluetooth」「端末情報」「無線LAN情報」「機能設定メンテナンス」「省電力設定」「無線LAN設定 らくらく/WPS」「ファームウェア更新」といった項目が表示される。各メニュー内での操作は「SELECT」で「送り」、「SET」で「決定」だ。
「SET」「SELECT」「電源」ボタンが前面に搭載されている。 |
Wi-Fiの周波数帯域切替は本体操作でできる。 |
「無線LAN帯域切替」では、2.4GHz、5GHz(屋内)、5GHz(屋外)から設定できるので、自宅などの屋内では5GHz(屋内)を選べばいいだろう。もちろん、5GHz対応機器を接続する場合の話だが、無線接続では5GHz(屋内)で繋ぐのが一番速い。
なお、5GHzの利用については、切替は本体のみでできるが、最初に「クイック設定Web」という、ブラウザから行う設定ツールで5GHzの利用をオンにしておく必要がある。
■スマートフォン向けアプリ
WX01では、本体だけで様々な情報表示やちょっとした設定ができるので、普段はパソコンやスマートフォンから設定をいじる必要はない。ただし、最初に5GHzの利用をオンにすることや、Wi-Fiスポットの設定やMACアドレスでのフィルタリングをしたい場合などには「クイック設定Web」を使う必要がある。これはパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでもブラウザから利用できる。
さらに、AndroidとiOS向けにはツールアプリが用意されている。「NEC WiMAX 2+ Tool」というアプリを使えば、WiMAX/WiMAX 2+の電波状態、Wi-Fiの接続状態、ルーターのバッテリー残量、「無線LAN帯域切替」、WiMAX/WiMAX 2+とWi-Fiスポットの切替、休止状態へのリモート操作での移行、再起動、通信量野確認、一部設定などが可能となっている。
Android版のアプリ |
Android版とiOS版の機能はほぼ同じだが、Android版では「常駐アプリ」という設定をオンにすることで、通知バーにアイコンを常駐表示させることができる。アイコンはルーターのバッテリー残量を表し、通知バーを引き下ろすと電波強度なども表示される。Androidユーザーであれば、常駐アプリをオンにしておく方が便利だ。
左図:「常駐アプリ」のチェックをオンにすると、通知バーの左上にバッテリーアイコンが表示される。
右図:通知バーを下すと、電波強度なども見ることができる。
右図:通知バーを下すと、電波強度なども見ることができる。
■速度
さて、肝心の速度だが、自宅と銀座、秋葉原駅周辺で試している。とはいえ、短い時間でサクッと試した程度に過ぎない。本来はもっと多くの場所、長い時間試した上で、しっかりとデータとしてまとめてレポートしたいので、後日改めて詳しく触れたい。今回は印象としてのレポートに留めるので、ちょっとした参考程度に捉えて欲しい。ちなみに、筆者の自宅は千葉県北西部のそこそこの田舎だが、一応WiMAX 2+の下り最大220Mbps非対応エリアではない。
速度の計測は、Macbook Air(自宅及び外出先)、Windows 7のデスクトップPC(自宅)とのUSB接続、Wi-Fi(2.4GHz/5GHz)、Xperia Z1とのWi-Fi接続、iPhone 6とのWi-Fi接続で行い、Speedtest.net、RBBToday、USENで何度か行った。測定サイトによって差はあるが、今回はその時々で最も良かったもので見ている。WX01を置く場所、向きも何度か変えてみた。
結果、下りの最高速度は秋葉原駅周辺で75.6Mbps、銀座で50.2Mbps、自宅で32.4Mbpsだった。上りはどこでも3~8Mbpsといった感じで、場所による違いというよりも測る時によって変わる印象だ。また、下り速度に関しては測定時の安定性は良く、ピーキーではなかった。瞬間的に30に上がったかと思えば次の瞬間には5に下がる、というような波形ではなく、ある程度一定している。とはいえ、1回の測定中での安定性は高くても、測定ごとのばらつきはある。下りで20Mbpsくらいの幅はあった。また、もちろん場所を移動してもばらつく。自宅ではどこにWX01を置いても、いつ測定しても大体20~30Mbpsで安定していたが、それは自宅がある程度の田舎にあって周辺にWiMAXユーザーが少ないことも大きいと思う。一方、東京、特に秋葉原駅では主に30~60Mbpsの間で変化していた。もちろん10Mbps前後に落ちる時もあったが、それでも、50や60という数字も出る印象だったので十分に速いだろう。今回は時間がなかったのでそれほど移動していないが、電波状況の良い場所を探せば、100Mbps超えや150Mbps超えなどもありそうだ。
当然だが機器間接続方法の違いもある。USB接続がやはり一番安定して速い。Wi-FiではUSB接続よりも若干落ちる。
WiMAX 2+に関しては、現時点では一番速い機種ではないか、と感じる結果だったが、何度も述べているように、まだ短時間なので早合点はできないので注意してほしい。
■クレードル
別売りオプションだが、WX01にはクレードルが用意されている。ニフティ、ソネット、GMOとくとくBBなどのMVNO各社では大抵はクレードルとのセットで販売しているので、多くの方がクレードルも入手されることと思う。
クレードルにセットしたところ。
クレードルには有線LANポートとmicroUSB端子が用意されている。有線LANポートは、1000BASE-T/100BASE-TX対応で、固定通信回線や有線LANを接続できる。また、有線LANポートを使って有線でパソコンと繋ぐこともできる(※USBによる有線接続をしたい時にはクレードルから外し、WX01本体のmicroUSB端子を使ってパソコンに繋ぐ必要がある)。microUSB端子にmicroUSBケーブルとACアダプターを接続する。
家で固定回線代わりに使う場合や、固定回線のルーターとして使う場合、出張や旅行時にホテルの有線LANを無線化したい場合など、様々なシーンで役立つのでクレードルは一緒に購入することをオススメしたい。
■まとめ
結局、「速度」の項で述べたように、まだ長い時間使っていない上、様々なエリアで試したわけではないので、参考になるレビュー記事にはなっていないと思う。そのため、概要を掴む程度で捉えて頂ければ幸いだ。
ひとまず暫くの間は東京、大阪などの大都市圏では下り最大220Mbpsを体験できるWiMAX 2+ルーターはWX01のみとなるので、やはりWX01は注目機種になるのではないかと思う。W01の場合は、au 4G LTEを利用できるので、au 4G LTEでカバーできる部分もあるし、下り最大110Mbpsエリアでも意外に悪くない速度が出るので、CAに対応すればWX01よりも記録的な速度が出る可能性もありそうだ。どちらを選ぶかは生活圏次第だとは思うが、今回の2機種に関してはどちらも買って後悔することはなさそうだ。しかも、3月はニフティ、GMOとくとくBBでは約3万5千円のキャッシュバックもあるので、2年間の実質的な月額料金は相当安価に抑えられることになる。
WX01は通信の安定性、操作性、デザイン、と多くの点でバランスの取れた製品と感じるので、引き続き試用し、再びレポートしたいと思う。
なお、下に掲載したUQコミュニケーションズの公式動画でもWX01の概要を確認できる。
《各社の販売価格やキャンペーン特典について》
WX01はUQコミュニケーションズの公式通販サイト「UQ WiMAXオンラインショップ」のほか、ニフティ、GMOとくとくBB、ソネット、ビッグローブなどで購入できる。ニフティやGMOとくとくBBでは約3万5千円のキャッシュバックがあるので、それを含めると月々の利用料はかなり安くなる。価格、特典、違約金なども含め、総合的に比較して購入したい。
■UQ WiMAXオンラインショップ
JCBギフト券や「ブルーガチャムクブランケット」などをプレゼント。
→UQ WiMAXオンラインショップ
■ニフティ
クレードル付きで35,400円のキャッシュバックが用意されている。
→@nifty WiMAX2+
■ビッグローブ
Amazonのタブレット「Fire HD7」か「Fire HD6」&2,000円、もしくは15,000円キャッシュバックという特典が用意されている。
→BIGLOBE WiMAX 2+
■ソネット
15,000円キャッシュバックもしくは人気タブレットをお得にレンタルできる特典が用意されている。
→So-net モバイル WiMAX
■GMOとくとくBB
GMOとくとくBBでは以下、4種類のキャンペーン企画を実施している。キャッシュバック、タブレット「Nexus 7」&ケース、タブレット「ASUS MeMO Pad7」、通信費割引の4つだ。
後日、追加レポート記事を公開したいと思う。そちらも参照して頂ければ幸いだ。
【情報元、参考リンク】
・Speed Wi-Fi NEXT WX01の紹介記事
・2月20日以降の料金プランについて
・Speed Wi-Fi NEXT W01の紹介記事
・W01の取材レポート記事
中国製の通信機器は盗聴されている可能性が低くないから怖い
返信削除事実、欧米の金融機関はこの理由で全ての機器を入れ替え行ったところも