パナソニックは米国時間6日からラスベガスで開幕した世界最大の家電見本市「2015 International CES」において、LED光源を高速点滅させることで様々なデータを送ることができる可視光通信技術を発展させた技術を参考出展している。同社はこの技術を昨年12月に発表した。
LED光源から発信される様々な情報を持ったID信号(以下、光ID)を各社のスマートフォンに搭載されているカメラの一般的なイメージセンサーと、専用のアプリを使って高速受信できる技術だ。
従来は光IDをスマートフォンなどで読み取るためには、専用の受光器が必要だった。しかし、今回開発された技術では、一般的なイメージセンサーで読み取ることができるため、専用の受光器は不要だ。
しかも、従来は約10数bps程度といった低速でのデータ通信しかできなかったが、新技術では数kbpsでの通信も可能だという。
光IDの送信には単色(白色)LEDの輝度(明暗差)を利用する。そのため、光IDの発信機器として、白色照明だけでなく、看板照明、ショーウィンドウで使われている間接光、デジタルサイネージで使われている液晶ディスプレイなどを利用することができる。
そして、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけでデータを受信できるため、用途は色々と考えられる。QRコードなどのバーコードの場合は取得できるデータ量に限りがあるが、光ID通信の場合はより大きなデータの発信ができるので、使い道は多そうだ。
実際、美術館や博物館などでの展示品の情報や解説を行うシステム、交通案内看板での利用、流通業界での様々な利用が想定されている。
実用化に向けた動きはすでに進んでおり、三越伊勢丹ホールディングス、伊勢丹新宿本店の協力で、一部のユーザー向けに光IDを使った情報提供サービスの試行体験会が実施される予定となっている。
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