ASUS ZenFone 5本体とパッケージ |
カタログスペックについては、こちらの記事を参照してほしい。また、発表会の取材レポート記事はこちらのページで公開している。本記事では、実機のレポートをお届けしたい。
■ボディ
まずはボディから見ていきたい。ZenFone 5のカラーバリエーションは下に掲載したプレス画像の通り4色で、レッド、ゴールド、ホワイト、ブラックとなっている。今回試用した実機はホワイトモデルだ。
これはプレス向け画像。カラーは4色。 |
ディスプレイサイズは約5インチで、解像度は1,280×720ドット。写真をご覧の通り、「戻る」「ホーム」「マルチタスク」キーはタッチキーとして下の方に用意されている。ディスプレイ内に表示されるソフトウェアキーではなく、独立したタッチキーとしてディスプレイ外に用意されているので、画面の領域を浸食されずに済む。
しかし、このタッチキーはマークが光らないので、夜間など暗い場所ではどこにキーがあるのか分かりづらいという問題はある。
デザインはオーソドックスなスタイルなので、人を選ぶこともなさそうだ。また、角は丸みを帯びた形状なので、手に突き刺さるような感じもなく、持ちやすい。
ディスプレイサイズは約5インチ。視野角も悪くない。
ナビゲーションキーは独立している。その下のセリアはZenBookでもお馴染みのスピン加工がされている。 光の反射具合でなんとなく分かると思う。 |
右側面にはボリュームキーと電源キー、左側面には何もない。
下面にはmicroUSB端子、上面にはオーディオ端子
バッテリーは外せないが、背面パネルは外せる。microSDカードスロットとSIMカードスロットがある。 |
ZenFone 5はバッテリーを自分で交換することはできないが、背面パネルは取り外すことができる。パネルは滑りにくく、指紋汚れなども目立ちにくい。なお、防水・防塵ではないので、その点には注意したい。
■カメラ
ZenFone 5には前面に約200万画素、背面に約800万画素のカメラが搭載されている。撮影モードとしては、通常のオートのほか、「タイムシフト撮影」「HDR」「パノラマ」「夜景」「ローライト」「自分撮り」「美人効果」「ミニチュア」「単焦点」「スマートリムーブ」「オートスマイル」「GIFアニメーション」がある。
撮影モード(一部を表示) |
面白いのは「GIFアニメーション」で、手軽にGIFアニメ画像を撮ることができる。動画撮影をするほどではないシーンをGIFアニメで撮影できるのは意外と便利そうだ。また、「ローライト」モードでは解像度を犠牲にする代わりに、暗い場所でも明るさを通常の約400%、コントラストを約200%にして撮影できるので、何とか無理矢理撮れてしまう、という力技ができる。
また、高速連写をすることもできる。
高速連写も可能。100枚まで連続で撮れ、ベストショットを選ぶことができる。
ZenFone 5のカメラ機能で便利なのは、側面にあるボリュームキーをシャッターとして使えることだ。また、長押しすることでカメラアプリを起動することもできる。例えば、スマートフォンを使っていてカメラを起動したい時、カメラアイコンをタップせずにボリュームキーを長押しするだけで起動し、撮影できる。そして、シャッターもボリュームキーで切れるので、安定した撮影が可能だ。
ただし、シャッターを切ることに関しては、ボリュームキーを上にして端末を構えると、右手では押しにくいので、左手で押すことになる。もちろん、右手で押すこともできるが。そのため、個人的にいはボリュームキーを下側にして端末を構えた方がいいと思う。下図を参照してほしい。この持ち方であれば、安定して撮影できる。ただ、ちょっと変わった持ち方にも感じるので慣れが必要かもしれない。
ボリュームキーの長押しでカメラの起動、起動後は普通に押すことでシャッターを切れる |
このように持つと、右手の親指でシャッターを切れる |
各種設定が可能だが、ISO感度は800まで |
■機能・性能
ZenFone 5は体感的にはスムースで快適なパフォーマンス及び操作性だ。よりスムースな端末がないかと言えば、そんなことはないが、実用上は十分に快適なパフォーマンスが出ている。ブラウザで複数のタブを開いて順に閲覧していくような使い方も、特にストレスなくできる。筆者は一気に20ほどのタブを開いてから順に閲覧するスタイルなのだが、ZenFone 5でも十分にできている。ただし、最近の大手3キャリアから出ているハイエンド端末と比べると、ややもたつく感じはある。
それはベンチマークアプリのスコアからも想像できるかもしれない。ハイエンド端末ほどのスコアは出ていないからだ。とはいえ、ディスプレイ解像度がフルHDではなくHDと、負荷が厳しくないこともあってか、よく動いている印象だ。
パフォーマンスについては一般的使い方では特に不足することはないはずだ。
AnTuTu BenchmarkとQuadrantでの結果
ネットワークについては、ZenFone 5は下記の周波数帯に対応している。括弧内はバンド。
・LTE:2,100(1), 1,800(3), 2,600(7), 900(8), 800(19)MHz
・W-CDMA(HSPA+):2,100(1), 1,900(2), 850(5), 800(6), 900(8), 800(19)MHz
・GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz
LTEでは下り最大150Mbpsでの利用が可能なので、NTTドコモ(以下、ドコモ)のSIMカード/通信サービスやドコモの回線を使って格安サービスを提供しているMVNO各社のサービスを利用する際でも、十分な通信速度で利用できるはずだ。
また、APN設定についても、最初からいくつか代表的なものが登録されているので、使いやすい。ドコモのmoperaなども登録されているので、選べばすぐに使える。
ちなみにテザリングも可能で、最大で同時に5台まで接続可能だ。
APN設定のリストの例
ホームアプリ、UIはASUS独自の「ZenUI」だが、パッと見は普通のAndroidのホームといった印象。動きは軽快で、見た目・使い勝手も分かりやすい。また、シンプルなホーム「簡単モード」も用意されているので、初心者やシニアの方など、好みに合わせて選べる。
ZenUIのホーム画面と通知バーを下ろしたところ
「簡単モード」にすると、このような感じのホームになる
ZenFone 5のバッテリー容量は2,110mAhと、最近の5インチクラスのスマートフォンの中では少ない方だ。そのため、駆動時間については心配していた。しかし、1週間ほど使ってみた印象では、下手をすると3,000mAh近い容量のバッテリーを積んだスマートフォンと比べても十分に持つ感じだ。省電力設定はモード、そして細かく設定できるカスタマイズ機能があるが、大抵のユーザーは「最適」モードでいいように思う。パフォーマンスとバッテリーの持ちのバランスがよいように感じる。
ヘビーに使うとやはり早くバッテリーが減ってしまうものの、ZenFone 5はスリープ時のバッテリーの減りが少ないようで、空き時間や移動時間などに使う程度だと1.5日から2日は十分に持つ印象だ。
省電力モード(左)と、カスタマイズモードの個別設定について(右)
また、機能面ではPCとの連携機能など、ASUS独自機能などもある。
■パッケージ、同梱品
パッケージは今や一般的となった感のあるスタイル。開けるとスマートフォン本体があり、取り出すと下に付属品が入っているという形だ。
パッケージ
パッケージ内容は下図の通りで、ZenFone 5本体、イヤフォン、サイズ違いのイヤーピース、USB-ACアダプタ、USBケーブル、マニュアル類となっている。イヤフォンが付いているので、イヤフォンを持っていない方には嬉しいだろう。
パッケージ内容 |
USB-ACアダプタ。小さいので持ち運びしやすい
イヤフォンが付属する |
■まとめ
ZenFone 5は16GBモデルで26,800円、32GBモデルでも29,800円程度という価格帯なので、やはりまずはこの価格が大きな魅力となる。それでいて、日常使う上で十分なスペックとパフォーマンス、機能を有しているので、かなりオススメできるスマートフォンだ。逆に、この価格でこれだけのスマートフォンが入手できる状況になってきているため、キャリア端末はメーカーにとって開発が厳しい時代に入ってきてしまったのだと感じる。
動画視聴とゲームについて言えば、やはり各キャリアから販売されている、フルHD以上の解像度を持つハイエンド端末と比べると画面の綺麗さに劣るが、不足に感じるのはせいぜいそれくらいだ。また、YouTubeでちょっと動画を見る程度であれば、気になるレベルではないだろうし、比べなければHD解像度でも十分綺麗だ。ともかく、価格とのバランスで考えると、ヒットする可能性を秘めた端末だといえそうだ。
下に掲載したのはAmazon.co.jpでの商品リンク。
【情報元、参考リンク】
・ASUS/ZenFone 5製品ページ
・GAPSIS/ZenFone 5発表会取材レポート記事
・GAPSIS/ZenFone 5発表記事