左からAQUOS ZETA、AQUOS SERIE、AQUOS Xx。 |
≪外観チェック≫
■AQUOS ZETA SH-04F(ドコモ向け)
AQUOS ZETA SH-04Fは3機種の中で唯一5.4インチ液晶を搭載しているので、ボディサイズがやや大きい。他の2機種は5.2インチだ。前面のデザインは、AQUOS SERIE SHL25以外、大きな違いはないが背面はかなり異なる。
AQUOS ZETA SH-04Fの前面と背面。
背面はフラットで、イメージとしては「Xperia Z」シリーズに近い。 |
上の写真の通り、背面は「Xperia Z」シリーズに近い印象を与えるものとなっている。「Xperia Z」シリーズがヒットしたことを考えても、このAQUOS ZETA SH-04Fのデザインを気に入る方は多そうだ。ただし、背面は指紋が付きやすいので、気になる方はケースを付けた方がいいかもしれない。
上下の面を横から見ると六角形をしている。これにより、握りやすくなっているので、ボディサイズが大きいからといって落としやすい、ということもない。実際、かなり持ちやすかった。ただし、フラットで美しい背面デザインと比べると、側面デザインはやや野暮ったい感じも受ける。この辺りはデザイン性の追求と実用性の追求、どちらを取るかということになるのでバランスが難しい部分かもしれない。もちろん、好みの問題かもしれない。
AQUOS ZETA SH-04Fは側面にボリュームキーがある。最近のAQUOSはボリュームキーもタッチキーになっていたので、物理キーを好む方には嬉しい設計だ。また、下の写真の通り、ボリュームキーは「+」と「-」の間が窪んでいるので、手探りだけでボタンの位置を確認できる。こうした細かい配慮は嬉しい。
ボリュームキーが搭載されている。 |
上面にはカードスロットやオーディオ端子、ワンセグ/フルセグアンテナなど。 |
■AQUOS SERIE SHL25(au向け)
AQUOS SERIE SHL25は5.2インチのディスプレイを搭載するスマートフォン。ドコモ向けよりも若干小さい。小さく、フォルムが3機種の中で最もマイルドなので、持ちやすさは一番だ。また、ディスプレイの外枠部分のカラーがブラックではなく、本体カラーと同色になっている点がデザイン上の大きな特徴だ。ただし、テレビやモニターディスプレイの多くのフレームがブラックであることから分かるように、ディスプレイの外枠はブラックの方が見やすいように思うので、購入検討の際はこの点が気になるかどうか実機でチェックした方がいいだろう。
とはいえ、実際には数分使っているだけで慣れてしまう、もしくは全く気にならない方が多いかもしれない。筆者もすぐに慣れてしまった。
ボリュームキーは前面右下にタッチキーとして用意されている。
全体的にマイルドな形状をしているので、手に食い込むようなこともない。 |
物理ボリュームキーがないので、左右の側面は至ってシンプル。
AQUOS SERIE SHL25はカラーバリエーションがホワイト、ピンク、ネイビーの3色で、ブラックがなく、ピンクが入っていることからも、どちらかと言えば女性をターゲットとした端末なのだろう。AQUOS ZETAはホワイト、ブラック、オレンジ、AQUOS Xxはホワイト、ブラック、レッド、プレシャスゴールドと、両機種ともハッキリとしたカラーで構成しているのとは対照的だ。
■AQUOS Xx 304SH(ソフトバンク向け)
AQUOS Xx 304SHは、前面はAQUOS ZETA、背面はAQUOS Xxに似ているが、側面は全く異なる見た目をしている。背面はエッジが丸みを帯びているので、金属筐体とはいえ特に持ちにくいことはない。ただし、側面はやはり滑りやすい感じを受けたので、落下には注意した方が良さそうだ。これは、「iPhone」や「Xperia Z2」などでも同様だが、落下を絶対に避けたい、という方はケース、バンパーなどが必須だろう。とはいえ、AQUOS Xx 304SHのデザイン上のクールさをケースで台無しにする可能性もあるので、見た目と保護はトレードオフの関係にあって判断が難しい。
ボリュームキーは前面右下にタッチキーとして用意されている。
側面はAQUOS SERIEと同様、ボリュームキーがないのでシンプル。金属フレームはやはり美しく高級感がある。筆者は個人的にはこのAQUOS Xx 304SHのデザインが好みだが、男性はこのデザイン、もしくはAQUOS ZETAのデザインを好む方が多いように思う。
下面と上面
斜めから見ても、側面のフレームの美しさが分かる。
デザイン、カラーバリエーションを考慮しても、AQUOS Xx 304SHのメインターゲットは20代・30代以上の男性だと感じられる。非常に美しいデザインで、従来の「AQUOS PHONE」にはなかったスタイルだ。
≪パフォーマンスと機能≫
第1回の冒頭でも紹介したように、3機種の差はほとんどない。ドコモ、au、ソフトバンク、どの通信事業者との契約でも構わないという方であれば、どれを買ってもいい。選択の基準はデザイン、持ちやすさ、ディスプレイの大きさ位だ。
IGZO液晶はかなり綺麗になってきた。 |
今回のイベントでは約2時間しか触れなかったこともあり、長時間使った場合のパフォーマンスや不満点は分からないが、少なくとも短い時間使った感じでは体感的なパフォーマンスは満足できるレベルで、特に問題なかった。やはりクアッドコア2.3GHzのQualcomm MSM8974ABのパワーと、2GBのメモリの寄与が大きく、Android自体安定してきていることもあり、どの機種を購入しても実用上不満を感じる可能性は低そうだ。
ただし、バッテリー容量についてはAQUOS ZETAとSERIAが3,000mAhを超えているのに対して、AQUOS Xxだけが2,600mAhとやや少ないので、バッテリーの持ちは実感できるレベルで差があるかもしれない。
パフォーマンスだけでなく、機能も3機種揃ってほぼ同じなので、3機種間の比較はしにくい。
では、他社製品と比べて、となると、「グリップマジック」と「ワンハンドアシスト」が魅力になってきそうだ。カメラ機能が向上したこと、ディスプレイの表示能力が向上したことはシャープ製の旧モデルと比べた場合には大きな進化点だが、他社製品も同様に進化しているため、差別化要因にはなりにくい。もちろん、IGZO液晶が省電力性能に優れる点はプラスポイントだ。
「グリップマジック」は全部の機能をオンにすると逆に使いにくくなりそうだが、自分の使い方に合わせて設定していくと、かなり使い勝手が向上しそうだ。握っている間は画面を点灯し続けてくれる「Bright Keep」や、端末を伏せたときの動作設定などは特に便利だ。
手に持っている間は画面の点灯をキープする機能は便利。 |
着信時簡易シークレットや置いたときの動作設定など。 |
また、5インチクラスの端末を満員電車の中で片手で操作するのは現実的でないので、「ワンハンドアシスト」も地味に役立ちそうだ。縮小画面は左下だけでなく、右下へ寄せることもできるので、左手と右手、どちらでの操作にも対応する。
≪感想≫
実のところ、シャープ製端末に限らず、今夏向けの新スマートフォンは他社製品も含めて完成度が高いので、どの製品を選択しても大きな後悔はしないようになってきている。その中でシャープ製端末のポジションを考えると、最大の魅力は「EDGEST」だろう。
「EDGEST」の狭額縁は現時点でも他社の追随を許していない、最先端の設計となっているので、「EDGEST」に慣れてしまうと、額縁が太い端末には戻れないかもしれない。一瞬「旧世代」の端末だと感じてしまうはずだ。それくらい「EDGEST」の設計は洗練されている。
前述したように「グリップマジック」と「ワンハンドアシスト」も便利だ。また、現在使っている機種のカメラ機能が弱い方にもオススメだろう。
ITmediaの田中氏はAQUOS新モデルを気に入ったのか時折笑顔を見せつつイベントを進行していた。 |
《オンラインショップでの価格》
ドコモ向けのAQUOS ZETA SH-04Fとソフトバンク向けのAQUOS Xx 304SHは5月23日発売ということもあり、既にドコモオンラインショップ、ソフトバンクオンラインショップにて予約注文が可能となっている。
ドコモオンラインショップでは機種変更、新規契約、MNP、いずれの場合も「月々サポート」適用で実質46,440円。それぞれ「春の学生スマホ割」を適用するとさらに10,368円割引だ。
ソフトバンクオンラインショップでは、機種変更では、継続利用期間が2年以上の場合が実質30,720円、1年6ヶ月以上2年未満の場合が実質35,760円、1年以上1年6ヶ月未満の場合が48,000円だ。新規契約では実質30,720円。MNPでは実質0円となっている。
【情報元、参考リンク】
・AQUOS ZETA SH-04F製品紹介ページ
・AQUOS SERIE SHL25製品紹介ページ
・AQUOS Xx 304SH製品紹介ページ