KDDI研究所は20日、「LTE-Advanced」基地局間での高度な協調動作を可能とするC-RAN構成において、信号品質を維持しつつ基地局向けエントランス回線のトラフィックを50%削減できるデータ圧縮方式を開発し、国際標準化を進めてきたが、今回、欧州電気通信標準化機構(ETSI)で仕様化が進められている基地局向け信号インターフェースの国際標準規格にこの方式が採用されることが決定したと発表した。
C-RAN(Centralized Radio Access Network)構成とは、基地局の制御部を1カ所に集約することで、多数の基地局の集中制御を可能とするネットワーク構成のこと。
スマートフォンやタブレットなど、多くのデータをやり取りするモバイル端末が急速に普及し始めたことで、モバイルトラフィックが急増しており、さらなる通信速度の向上が求められている。
そのためにKDDIはauの通信サービスにおいて、複数の周波数を同時に使い、データ通信を行うことでより速い速度を実現するキャリアアグリゲーションを今夏導入することを決めるなど、対策を順次導入している。
また、前述のC-RAN構成も有効とされる。
しかし、C-RAN構成は基地局向けエントランス回線のトラフィックが従来の約16倍になるため、そのトラフィックの大幅な削減が課題となっていた。
今回開発された方式では、LTE-Advancedの信号波形の特徴を利用することで、信号品質を維持しつつ、トラフィックを50%削減することができる。これにより、基地局向けエントランス回線のトラフィックを大幅に増やすことなく、基地局間での高度な協調動作が可能になる。
さらに、この方式はLTE-AdvancedだけでなくLTEにも適用可能となっている。
KDDI研究所はこの方式を適用したデータ圧縮装置を5月28日から東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」に出展する予定だ。
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KDDI研究所/プレスリリース
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