MaxisのLTEに接続されたSIMフリーのiPhone 5s |
■4G LTE対応のSIMカードの入手方法
マレーシアは比較的SIMカードの入手が容易な国で、空港や街中で気軽にプリペイドSIMカードを購入することが可能です。
ただし、Maxisの4G LTEに対応したSIMカードは、一度MaxisのプリペイドSIM(HOTLINKブランド)を購入した後に、Maxis Centreなどの店頭にてSIMカードの交換を行う必要があります。この交換手続を行わない限り、4G LTEに接続することができませんので、この点には注意が必要です。
筆者は最初、クアラルンプールの空の玄関口であるクアラルンプール国際空港、LCCT(LCC専用ターミナル)の国内線到着口にあるMaxis CentreでMaxisのSIMカードを購入しましたが、この時に対応したスタッフから「4G LTEエリア内であれば自動的に4G LTEに接続されるが、LCCT周辺はエリア外であり、ここでは4G LTE接続を確認できない」と説明を受けました。
事前に確認していたMaxisのプレスリリース内容(SIMカードの交換が必要になる)とは異なる説明でしたが、もしかしたらオペレーションに変更があったのかなと、スタッフの説明をそのまま信用して、そのままバスでクアラルンプール市内へ移動しました。
LCCTからバスでクアラルンプール市内へ移動。市内までの料金は約RM 10前後 |
その後、クアラルンプールの中心部とも言えるKLセントラル駅に到着しましたが、一向にLTE接続が確認できなかったため、やはり手続きに誤りがあったのではと疑問に思い、KLセントラル駅の中にあるMaxis Centreで確認すると、「4G LTEに接続するためにはSIMカードの交換手続が必要」という説明を受け、ここで初めて先述の説明が誤りであったことを知らされました。
SIMカードの交換手続については、交換に伴い申請書に必要事項(名前やパスポート番号など)を記入する必要があり、この申請書を店頭で提出した後、交換後のSIMカードを受け取ります。約10分ほどで新しいSIMカードを受け取り、4G LTE接続が利用可能となります。
なお、MaxisのLTEサービスで用いられる周波数は1,800MHz帯(Band 3)と2,600MHz帯(Band 7)となっているため、国内で発売されているLTE対応端末を利用する場合は特に周波数への注意が必要です。
SIMカードの交換申請書。記入する内容は名前、パスポート番号など |
SIMカードの交換に関する申請書は、1つのSIMカードにつき1枚必要ですので、複数のSIMカードを4G LTE対応のものに交換する場合には交換するSIMカードの枚数分だけSIMカードの交換申請が必要となります。なお、4G LTEに対応したSIMカードのサイズはnanoSIMタイプと、micro/レギュラータイプの2種類があります。
交換後のSIMカード。見た目は4G LTE非対応のものと変わらない |
4G LTE対応のSIMカードへの交換にかかる手数料は、Maxisの「Monthly Internet Plan」(RM 30またはRM 68の2つのプランあり)に登録している場合は無料となり、それ以外の場合は交換手数料としてRM 25が請求されるため、基本的にはMonthly Internet Planに登録した上で交換を申し込む方がお得となります。
Maxisの音声対応のSIMカードの販売価格はRM 8.80(約270円)ですから、SIMカードの販売価格と合わせて最低でもRM 38.80(約 1,200円)が4G LTE対応のSIMカードを利用するための標準的なコストになります。
※Monthly Internet Planに登録せずに4G LTE対応SIMカードを利用する場合はRM 33.8(約 1,000円)となりますが、こちらの場合はコストパフォーマンスが悪いため考慮しません。
■インターネットプランへの登録方法
Maxisのインターネットプランへの登録方法は以下の手順になります。
基本的には店頭でお願いすることが可能ですが、何らかの事情で自ら手続きをする場合は参考にして下さい。
●1. 「電話」アプリから「*100*9*1#」へ「発信/通話」操作を行う。
手順1 |
●2. メニューの中から登録するインターネットプランを選択する(この時は5番のMonthlyプランを選択)。
手順2。登録するインターネットプランを選択する |
●3.登録するプランの内容を確認して「1」を送信。
手順3。登録するプランの内容を確認して「1」を送信 |
●4. SMSで正常に登録が受付られた旨が通知される。
手順4。SMSが送られてくる |
■iPhone 5sではAPNは自動設定
iPhone 5sが搭載するiOS 7からは、端末の設定メニューからAPN設定が削除されており、Maxisの4G LTE対応SIMカードについてもiOS 7で利用する場合にはAPN設定を意識することなく4G LTEへ接続が可能でした。
参考までに、SIMフリーのGALAXY Note 3(N9005)に自動的に設定されたAPN情報は以下になります。
APN:unet
ユーザ名:maxis
パスワード:wap
ユーザ名:maxis
パスワード:wap
■4G LTEでの通信速度&エリアについて
今回はクアラルンプールに約半日滞在しましたが、Maxisの4G LTEエリアについてはクアラルンプールの中心部の屋外でも電波が弱くなることが多々ある上に、建物内ではかなり通信状況が厳しくなることがありました(地下鉄などは4G LTEのエリア外となりました)。
iPhone 5sで行ったスピードテストでは、最も通信速度が速い結果でPing 74ms/下り 16.33Mbps/上り 11.92Mpbsの結果となり、必要十分に快適な通信速度が得られました。
iPhone 5sで行ったスピードテストは下り16Mbpsを突破 |
ただし、筆者の経験ではマレーシアの各キャリアは、3Gのインターネット接続がそれなりに快適であることも多く、また先述の通り4G LTEのエリアがまだまだ狭いという点も含めて考えると、モバイルWi-Fiルータなどがサポートしている通信方式の固定は行わずに、3G/4Gを自動切り替えして使う方が総合的には通信が快適に利用できるように感じました。
記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler
ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。
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本コラムは毎月第1・第3火曜日更新予定!
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