発表会のテーマは「We Transform」。 |
インテル・ドロイド君と掛け合いで「TransBook Trio」を紹介するShin氏。
このときに発表された製品は、デスクトップ、ノートPC、タブレットとして使える「TransBook Trio(トランスブック・トリオ) TX201LA」、タブレットフォルムとノートPCフォルムで使える「TransBook T100TA」、そして、ASUSのUltrabook「ZENBOOK」シリーズの最新モデル「ZENBOOK UX301LA」だ。他にも15.6インチのスタンダードPC「Xシリーズ」3モデルも発表されたが、発表会場で主に展示された製品はTransBook TrioとT100TA、ZENBOOKとなっていた。
ASUSとしてはインテルの提唱する「2 in 1」のコンセプトに対して、このTransBookというシリーズで答えるということのようだ。インテルはノートPCとタブレットの2スタイルで使える端末を「2 in 1デバイス」と呼んでいる。
フラッグシップともいえるZENBOOKシリーズ最新モデルのUX301LA。デザインはガラッと変わった。 |
「TransBook Trio」。これが発表会の目玉製品。 |
≪TransBook Trio TX201LA≫
この機種はAndroidのタブレットと、キーボード部分(「PC ステーション」と呼ぶ)にWindows PCを仕込んだという製品だ。
まず、タブレットとしてはAndroidで動作する。このときはタブレット(タッチディスプレイ部)に搭載されたAtom Z2560とAndroid4.2.2で動作する。このタブレットはバッテリーも内蔵し、単体で約5時間駆動できる。ディスプレイサイズは約11.6インチ、解像度は1920×1080ドットだ。
タブレット単体ではAtomで動くAndroidタブレットとして使うことができる。 |
そして、PC ステーションとドッキングして、ノートPCとして使う場合にはPC ステーション側に搭載されたWindows 8(64bit)とタブレット側のAndroidを切り替えて使うこともできる。切り替えはキーボード最上段の右から4つ目のキーを押すだけでワンタッチで行える(下の写真参照)。ちなみにPC ステーション側のCPUはCore i7-4500Uなので、かなり強力だ。
タブレットとPC ステーション(キーボード部分)をドッキングし、ノートPCスタイルでWindows 8を起動しているところ。 |
キーボード最上段の右から4つ目のキーがOS切替キー。切替はほとんど瞬時。 |
切り替えてAndroidにしたところ。 |
このときバッテリーはPC ステーションに内蔵されたバッテリーとタブレット側のバッテリーを合わせた容量で駆動できるので、Android駆動時で約13時間連続で使えるということだ。おそらく実働でも9時間ぐらいは動作するのだろう。PC ステーションだけだと約5.6時間のバッテリー駆動が可能。
現代のノートPCとしてはそんなものかという感じだが、ノートPCフォルムでの重さは実に約1.7kgなので、モバイルPCとしてはやや重い。ちなみにタブレット部分が約700gで、PC ステーションが約1kgだ。
そして、デスクトップPCスタイルでは、microHDMIやMini DisplayPortを使ってモニターディスプレイやテレビなどと接続してデスクトップPCとして使うことができる。
デスクトップPCとしてPC ステーションを利用中もAndroidタブレットは別に使うことができる。 |
このTransBook Trioのハイライトは、様々なスタイルで使えるということに加え、デスクトップPCとAndroidタブレットを別々に使えるということ。この部分が評価できる人には良いだろう。
価格はオープン価格だが、店頭予想価格は13万9800円とのこと。正直、この価格でこの機能というのは、コストパフォーマンス的にイマイチ感がないでもない。
≪ZENBOOK UX301LA≫
今回の新ZENBOOKの特徴は天板にスマートフォンでもお馴染みの「Gorilla Glass 3(ゴリラガラス)」を採用していることのようだ。ディスプレイは約13.3インチでフルHD解像度。重さは約1.4kgで、バッテリー駆動時間は約10.7時間とのこと。オープン価格だが、市場予想価格は22万9800円だ。
なお、限定モデルとして、ディスプレイが2560×1440ドットと、より高解像度なSISモデルが販売されるという。こちらもオープン価格で市場予想価格は26万9800円だ。
正直、日本ではライバルが多く、競争力があまり高くない印象だ。
ZENBOOK UX301LA |
天板にGorilla Glass 3を採用している。 |
≪TransBook T100TA≫
10.1インチ(解像度1366×768)のタブレットとしてもノートPCとしても使える製品。CPUはインテルのAtom Z3740で、ディスプレイ側(タブレット)に仕込まれている。タブレット側がコアで、必要に応じてキーボードも使えるという製品だ。OSはWindows 8.1になる。
ストレージタイプで3種類ある。32GB eMMC、32GB eMMC+500GB HDD、64GB eMMC+500GB HDDの3つ。中間モデルにはマイクロソフトの「Office Home and Business 2013」も搭載する。
型番では下記の通り。
・T100TA-DK32G:32GB eMMC
・T100TA-DK532GS:32GB eMMC+500GB HDD
・T100TA-DK564G:64GB eMMC+500GB HDD
32GBもしくは64GBのeMMCはタブレット側に、500GBのHDDはキーボードドック側に搭載される。
バッテリー駆動時間はタブレット動作ではどの機種も約15.8時間だが、T100TA-DK32Gではキーボードドックとのセットで約14.9時間動く。ハードディスク搭載モデルは64GBモデルで約7.5時間、32GBモデルで約7.6時間とキーボードドックとのセットでの駆動時間があまり長くないのが弱点だが、できるだけタブレットで動作させれば、駆動時間の問題は回避できそうだ。
重さはタブレット単体で約550g、キーボードドックと組み合わせても約1.07kgなので、ライトなモバイル用途に威力を発揮しそうな気がする。
価格はオープン価格で、32GBモデルで4万4800円。他社のタブレットと比較してもコストパフォーマンスは悪くない。ハードディスク搭載モデルは64GBモデルで5万4800円、32GBモデルで5万9800円だ(Office付属)。
どのモデルもメモリが2GBなのが気がかりだが、メモリ使用効率がいいWindows 8.1でのライトユースならこれで十分なのだろうか。
タブレット時。表示クオリティも悪くない。 |
ノートPCフォルム。キーボードタッチも悪くない。 |
キーボードドック部分。 |
≪ASUSのTransformは成功するか?≫
今や、多くのPCメーカーがインテル提唱の「2in1」フォルムに様々なアプローチで自分たちなりの製品を作るようになってきている。そんな中で、今回のASUSの製品は今までの同社の製品と比較すると、シンプルで面白みが足りない気がするが、それが現在のASUSの回答ということなのだろうか。
個人的にはシンプルな「TransBook T100TA」あたりは日本市場でもかなり成功する気がするが、ZENBOOKはやや先進性が足りず、ピンと来ない。初代ZENBOOKユーザーとしては残念な限りだ。
(記事:一条真人)
下に掲載したのはAmazon.co.jpでのTransBook Trioの商品リンク。
【情報元、参考リンク】
・GAPSIS/ASUS、WindowsノートPCとデスクトップPCとAndroidタブレットの3スタイルで使える「TransBook Trio」を発表。11月2日発売予定
・ASUS