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【一条真人的Androidライフ】第28回:ソニー「レンズカメラ」登場でコアとしてのスマートフォンが始まる?

最近、“スマートフォンにWi-Fi(無線LAN)で接続できるレンズ”のようなカメラユニット「レンズカメラ」がソニーから登場するという噂がある。本当だとすれば、ドイツで開催されるエレクトロニクスショー「IFA2013」に向けた新製品ということだろうか? 型番やカタログ画像、本体写真なども流出しており、リアリティがある。

画像は下記リンク先のページを参照してほしい。
Hot! First images of the new DSC-QX10 and DSC-QX100 lens-cameras!

噂によれば、ユニットは「QX100」と「QX10」の2種類があり、QX100がソニーの高級コンパクトデジカメ「RX100M2」と同等のレンズと映像素子、そしてQX10が10倍光学ズームレンズ搭載のサイバーショットと同等のものを搭載するという。高画質な映像素子とカールツァイスレンズの組み合わせで高画質を実現したレンズユニットと、実用性の高い高倍率ズームを搭載したリーズナブルな価格のユニットというわけだ。

このレンズユニットには液晶モニターがなく、スマートフォンと接続して使い、撮影データはスマートフォンにWi-Fiで転送するのだという。NFCも搭載しているので、簡単にペアリングもできそうだ。しかし、カメラユニット本体にメモリスロットがあるということなので、撮影画像はメモリカードに保存し、操作関係だけをWi-Fiで行うのかもしれない。

現在のWi-Fiの速度であれば、リアルタイムに映像をスマートフォンにライブストリーミングしてプレビューすることも難しくはない(バッテリーは食うかもしれないが)のは言うまでもないし、撮影後にそのデータをWi-Fi転送するのも難しくはないだろう。まあ、転送時間を考えると、レンズユニットのメモリに保存したほうが連続撮影の速度は速そうなので、どちらになるかは楽しみなところだ。

以前、この連載でもスマートフォンのカメラの進化を追っていくと、いつか光学ズームレンズを搭載するのが普通になるのでは? という話をしたが、ソニーは外付けユニットという形でそれを実現してくれるのかもしれない。厚みのある光学ズームレンズをスマートフォン自体に搭載するよりはスマートな方法だと言えそうだ。必要に応じて複数のレンズを使うことができるのも便利だ。また、スマートフォンを買い換えてもレンズユニットを使い続けることができるのも便利だ。

このソニーのレンズユニットは実にサイバーであり、まさに「サイバーショット」という印象を受ける。しかし、これはスマートフォンの進化にとって、はじまりに過ぎないのかもしれない。以前、米Motorolaが「ATRIX」という、モジュール的に使えるスマートフォンを発売していた。ノートPC型のドッキングユニットとドッキングさせて、ノートPCとして使えるなどのコンセプトは素晴らしかったが、当時のスペックの限界はそれを実用的なものにすることを許さなかった。

現在の最速レベルのCPUはQualcommのSnapdragon 800だが、このCPUでH.265の動画をソフトデコードし、4K解像度で再生してしまうデモを今年の「International CES 2013」(家電見本市)でも行っていた。これを搭載したスマートフォンたちは今までと一つ次元の違う世界を見せてくれそうだ。そして、連携するサイバーなデバイスがさらにスマートフォンを進化させていくことになるだろう。

「他のデバイスとの連携こそがスマートフォンの次の大きな進化のキーになるのではないか?」

ソニーのレンズユニットの噂はそんな可能性を感じた人々(僕を含めた)の夏の夜の夢なのかもしれない。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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