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【取材レポート】スマホ、タブレットをターゲットにしたEye-Fiカード「Eye-Fi Mobi」は何を変える?

「Eye-Fi」と言えば、Wi-Fi(無線LAN)機能を内蔵したSDカードで、ワイヤレスでデジカメの画像データを自動転送することができる。僕もかなり前から愛用している、使えるアイテムだ。先日、アイファイジャパン(Eye-Fi Japanじゃない)がこのEye-Fiカードの新製品発表会を行ったので、その取材レポートをお届けしたい(※編集部注:記事公開が大幅に遅れ、申し訳ございません)。

Eye-Fi プレス向け発表会

この製品はかなり力が入っているせいか、わざわざ米Eye-Fi Inc.のCEOのMatt DiMaria(マット・ディマリア)氏が来日し、説明を行ったほどだ。また、DiMaria氏は今年4月にCEOに就任したばかりなので、重要なビジネス拠点の視察も兼ねているのかもしれない。

同社のHPを見ると、ビジネス拠点として、本社以外にはLAオフィスと日本オフィスの2つしかないようなので、彼らはかなり日本を重視してビジネスをしているようだ。おそらく、日本は世界的にもおいしいカメラ市場ということなのだろう。あるいはCANON、NIKONなど、カメラの世界的なビッグメーカーがあることも関係しているのだろうか。

左から順に米Eye-Fi Inc.のCEO Matt DiMaria氏、アイファイジャパン代表取締役 田中大祐氏。


■デジカメを取り巻く環境が変わり、それに対応した

DiMaria氏のスピーチを要約すると、「デジカメを取り巻く環境が変わり、人々はデジカメで写真を撮影して、ただ単に自動転送するだけでは満足できなくなった。今では多くの人はタブレットやスマートフォンのようなスマートデバイスを持っており、撮影した画像をそれらで見たがっている」

タブレット市場の伸びについて

「我々はそのような状況に対応するために新製品を作った。これで人々は自分の撮影した写真をタブレットで見て、気に入ったものをSNSやフォトストレージにアップロードすることができる。全てを転送するのではなく、選択して転送することもできる。この我々の新製品Eye-FI Mobiは非常に簡単にそれを行うことができる。この製品は大きな革新だ」

Eye-Fi Mobiを紹介するDiMaria氏。

写真データをスマートフォン等に転送することでデジカメ画像をもっと活用できる。

実際、今回発表された新製品Eye-Fi Mobiの特徴は設定の簡略化にある。従来モデルではPC、スマートフォン、タブレットなどに画像を転送する際の設定がやや複雑で手間のかかるものだったが、Eye-Fi Mobiでは大幅に簡略化している。そして、Eye-Fi Mobiのラインナップは8GBと16GBの2種類となっている。

Eye-Fi Mobiをデジカメにセットし、写真を撮り、連携しているスマートフォンなどのEye-Fiアプリの設定が完了すれば、あとは画像を自動的に転送することができる。転送した画像はスマートフォンからSNSにアップロードしたり、画像を加工したり、様々な用途に使うことができる。


■超簡単な設定

そして、実際にスマートデバイスとのペアリングデモが行われた。デジカメにEye-Fi Mobiカードをセットし、スマートデバイスに対応アプリ(iOS版とAndroid版がある)をインストールした状態で、Eye-Fi Mobiのパッケージに記載されたアクティベーションコードを入力するだけで設定が完了する。後はデジカメで写真を撮影するだけで、スマートフォンやタブレットに画像が転送される。

スマートフォン等への画像転送は従来のEye-Fiカードで言うところのダイレクト転送で行い、無線LANルータなどを使う必要はない。Eye-Fi Mobiをセットしたデジカメとスマートデバイス間で直接データのやり取りができる。そのため、外出先で撮影した画像も、その場でビュンビュン転送してくれるというわけだ。

同じことは従来のProタイプのEye-Fiカードでもできたのだが、設定がやや面倒な面があった。Mobiの場合は設定がごく簡単なので、一般ユーザーにはありがたいことだ。

従来モデルよりも設定を簡単にしたEye-Fi Mobi。

Eye-Fi Mobiは8GBと16GBのモデルがある。

16GBモデルのパッケージ


■Eye-Fi Mobiが目指すもの

Eye-Fi Mobiの投入は、スマートデバイスに転送するニーズの増加に対応するというだけでなく、Eye-Fiカードも普及期に入り、一般ユーザーをより意識するようになったため、設定が簡単な製品を投入する必要があったということなのではないだろうか。マーケットの変化がMobiを生んだというわけだ。

また、質疑応答では熱心な質問がいくつもされていたが、おそらくは実際にEye-Fiを使ってきたユーザーなのだろう、という感じのリアルな内容が多かった。Eye-Fiはかなり多くの業界人、アーリーアダプターに使われているということを実感させてくれた。


■後書き:アーリーアダプターかも知れない人たち

さて、製品がデジカメ向きということで、今回の発表会にはスマートフォン関連のメディアよりは、デジカメ関連、AV関連のメディアの人が多く来ていた。なぜかAV関連のO出版の人が3人来ていたが、僕が来たのを見ただけでウケていたという。YouTubeのTシャツを来ていたせいだろうか? オレにはハマー(長濱氏)のロシア風ファッションのほうがウケるのだが。

なぜかピンクのYouTubeのTシャツを着る筆者。

フォトグラファーの山田久美夫氏も来ていて、CES(米国で1月に開催された家電見本市)でロストした荷物(CES日記参照)のその後の話をしたが、なんと3日後に届いたという。コワイ話だ。これからは荷物は機内持ち込みにしようか? と真剣に考えさせられた。なんにしても、カメラについて常に熱く語る山田氏は本物だ。

そして、編集長の長田MAXはこの発表会の間、「ああ、スマホ関係と違って、発表会のテンポがゆっくりしてていいですねえ」と羨ましそうに平和に言っていた。今回の発表会は実際にゆっくりしたテンポで、ジックリと製品紹介が行われた上、質疑応答も慌ただしくなく、丁寧に受け答えされていた。

Eye-Fiカードを使っているアーリーアダプターというのは、多分、こんな人たちというわけだ。

(記事:一条真人

下に掲載したのはAmazon.co.jpでの商品リンク。

 

【情報元、参考リンク】
GAPSIS/アカウント登録不要で手軽に利用できる無線LAN搭載SDカード「Eye-Fi Mobi」が登場
Eye-Fi Mobi製品紹介ページ

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