Xiaomiは2010年に中国・北京にて設立されたテック・カンパニーだ。2011年9月に初のスマートフォン Xiaomi Phoneをリリースして以降、中華圏を中心とし、多くのメディアの注目を集めてきた。Xiaomiのスマートフォンの大きな特徴の一つは、そのスペックの高さにもかかわらず低価格戦略をとっていることだ。それに加え、MIUIという同社が開発したAndroid向けのカスタムROMにより、インターフェースが大きく改良され、アプリの使用がより快適になるなど、技術的な面でも話題を集めてきた。とはいえ、日本のユーザーにはまだまだ馴染みの薄いブランドである。
Xiaomiは、どのようにして短期間で多くのファンを獲得してきたのだろうか?
最新モデルXiaomi 2Sは、カラフルなデザインが特徴だ。 |
●わずかリリース1年で、700万台の販売台数を記録
中国本土においては、低価格戦略をとったことがXiaomiの成功の大きな秘訣となった。2012年11月にリリースされたXiaomi Mi2は、同年にリリースされた他社のフラグシップモデル Samsung Galaxy S3 やAppleのiPhone 5 と比較しても遜色ないスペックを備えている。にもかかわらず、その販売価格はGalaxy S3 やiPhone 5のわずか半額程度であったことから、中国本土で絶大な支持を集めてきた。一時期は、Xiaomiの人気が殺到し、オンラインサイトから事前に予約を行わないと購入ができないほどであったという。また、Xiaomiの人気のあまり、偽物まで出回ったというほどだ。
2013年4月にリリースした最新モデルXiaomi S2とXiaomi 2Aについては、リリース以降、毎週20万~30万台の販売が記録されており、今でもまだ人気が止まない。
なお、2012年の終わりにはトータルで700万台超の販売台数を記録している。日本最大手キャリアのNTTドコモのスマートフォン販売台数が2012年で約1,300万台であることを考慮すると、人口の多い中国とはいえ、スマートフォン販売からわずか1年でXiaomiがこれだけの販売台数を記録したことは驚異的である。
●2013年は香港・台湾へ本格的に進出、販売台数1,500万台を目標とする
更に驚くべきことは、Xiaomiは2013年には1,500万台の販売を行うと宣言していることだ。同社のCEOであり創業者でもあるLei氏によると、海外展開へのステップとして、まずは4月に香港・台湾でXiaomi 2Sのリリースを行い、その後、他のアジア地域や欧州・アメリカへの展開を検討するという。また、Windows Phone 8搭載端末のリリースも検討しているという。
4月に香港でXiaomi 2Sを発売した際は、発売開始直後わずか45秒で32GBモデル 20万台が完売したというから驚きだ。
Xiaomi Store(Hong Kong)のウェブサイト。2013年5月現在、中国語版しかないのが残念だ。 |
一方、タブレット市場に参入する意思はないようだ。Lei氏によると、タブレット市場においては、Appleの独占市場と化しており、参入する余地がないと判断しているようだ。現在、世界の68%のマーケットシェアを誇り、トラフィックの91%を占めているiPadに対抗するのは得策ではないと判断しているようだ。こうした経営判断から、Xiaomiの経営戦略の緻密さを垣間見ることができる。
●Xiaomiの成功ポイントは?
もちろん、Xiaomiの成功ポイントは低価格戦略をとっていることだけではない。海外メディアで発表されているLei氏のインタビュー記事等の情報によると、Xiaomiの成功の秘訣は以下の3点にあるという。
(1) ECを活用し、コスト削減に成功
Xiaomiでは、リアル店舗を設けず、オンラインでのXiaomi Storeを中心に販売を行うことで、大幅なコスト削減に成功した。実際、Xiaomi 2AとXiaomi 2Sの販売については、72%がオンラインショップ経由であるという情報もある。また、更にはそのコスト削減分の経費を開発費にあて、品質の改善に努めているという。
(2) MIUI搭載のXiaomi独自のAndroid端末
MIUIとは、冒頭で述べたとおり、Xiaomiが開発したAndroid向けのカスタムROMである。このMIUIの存在が多くのAndroidユーザーの心を魅了してきた。
MIUI搭載のXiaomiのインターフェース。 |
Xiaomiのインターフェースは上図のようなものだ。フォントサイズの調整をはじめ、インターフェースのカスタマイズが容易に行える。アプリの数も多く、幅広い用途に対応可能であることが魅力だ。また、インターフェース上のアプリのアイコンを見ても分かるとおり、iPhoneや、他のAndroid機種からの乗換えユーザーも抵抗なく使用できるデザインとなっている。
(3) ユーザーからのフィードバックを徹底重視
ユーザーからのフィードバックを徹底的に重視している点も、Xiaomiの大きな特徴だ。Lei氏によると、Xiaomi Mi2の開発の際は、1,200人ものユーザーからのフィードバックを集めたという。例えば、Xiaomi M1のユーザーから、SIMカードの差込について分かりづらかったというフィードバックを受け、Mi2には利用ガイドを搭載するなど、ユーザーに対し、最大限配慮を行う仕組みをとっている。
●2013年注目モデル、Xiaomi 2S の特徴
Xiaomiについて興味を持っている方や、購入を検討中の方の中には、「実際にどのくらいハイスペックなのか?」について、不安を感じている方も少なくはないだろう。Xiaomi 2Sの特徴は、MIUI V5搭載で快適なインターフェースおよび充実度の高いアプリケーションのほか、1.7GHz Qualcomm APQ8064 Proプロセッサー搭載で、ディスプレイも高画質であることだ。また、バッテリー容量が2,000mAhと、稼働時間が長いことも特徴だ。
ここでは、Xiaomiの2013年春モデル・Xiaomi 2SとSamsung Galaxy S4 i9500(いずれも16GB)のスペックを比較したい。尚、両モデルの価格帯については、2013年5月現在、Xiaomi 2Sが3万円台であるのに対し、Samsung Galaxy S4は6万円台と2倍程度となっている。
Galaxy S4 i9500 | Xiaomi 2S | |
OS | Android 4.2.2(Jelly Bean) | MIUI V5(based on Android 4.1) |
CPU | Dual quad-core (1.6 GHz Quad Core + 1.2GHz Quad Core) | Quad Core 1.7GHz Qualcomm APQ8064 Pro |
画面サイズ | 約5インチ | 約4.3インチ |
画面解像度 | 1920 x 1080 | 1280 x 720 |
カメラ | 13MP | 8MP |
Bluetooth | 4.0(LE) | 4.0 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac (HT80) | 802.11 b/g/n |
周波数 | GSM: 850/900/1800/1900MHz HSDPA: 850/900/1900/2100MHz LTE: TBC | GSM: 850/900/1800/1900MHz WCDMA: 850/1900/2100MHz |
SIMカード | micro-SIM | mini-SIM(2FF) |
バッテリー容量 | 2600mAh | 2000mAh |
重量 | 約130g | 約145g |
サイズ | 約136.6 x 69.8 x 7.9mm | 約126 x 62 x 10.2mm |
◆気になる日本語対応は・・・
残念ながら、Xiaomi 2Sには日本語ロケールの搭載はない。とはいえ、他のAndroidスマートフォンの海外版と同様、「Simeji」などの日本語入力キーボードアプリをインストールすることで、日本語入力が可能になる。また、ウェブサイトの閲覧については、日本語表示に全く問題はない。
弊社のFacebookページにも多数の写真を掲載しているので、興味を持たれた方はぜひ参考にしてみてほしい。また、購入の際には、ぜひ弊社ウェブサイトを利用してみてほしい。
<EXPANSYS商品ページ>
・Xiaomi
【参考リンク】
・Xiaomi founder clears the air on its new devices, global expansion plans and being ‘China’s Apple’
・Eyeing $4.5B In Sales This Year, Phone Maker Xiaomi Looks To Emulate A 340-Year-Old Chinese Medicine Company
・China's Xiaomi takes crowdsourced phone development model abroad
・Xiaomi Sets Date and Prices for Launches in Hong Kong and Taiwan
・Founder Lei Jun Talks About Xiaomi, China’s Disruptive Phone-Maker [INTERVIEW]
・32GB version of Xiaomi Mi-2S sells out in just 45 seconds, 16GB version still available in China and new Hong Kong store
記事執筆者プロフィール
EXPANSYS
ウェブサイト、Twitter:@EXPANSYSJapan、
Facebook:EXPANSYS Japan
EXPANSYSは、1998年に創業。SIMフリーのスマートフォン/タブレット、アクセサリを販売するオンラインショッピングサイトを運営する世界的なリーディングカンパニーです。現在では120を越える国々へ商品の発送を行っています。(50か国/地域のサイトで販売を行っており、12のパートナー会社で200を越えるサイト運営をしています。その数は今も尚増え続けています。)本社はイギリスで、EXPANSYS PLCは、ロンドン市場(AIM)に上場しています。コラムは香港よりEXPANSYS Japanの日本人スタッフがお届けしています!
ウェブサイト、Twitter:@EXPANSYSJapan、
Facebook:EXPANSYS Japan
EXPANSYSは、1998年に創業。SIMフリーのスマートフォン/タブレット、アクセサリを販売するオンラインショッピングサイトを運営する世界的なリーディングカンパニーです。現在では120を越える国々へ商品の発送を行っています。(50か国/地域のサイトで販売を行っており、12のパートナー会社で200を越えるサイト運営をしています。その数は今も尚増え続けています。)本社はイギリスで、EXPANSYS PLCは、ロンドン市場(AIM)に上場しています。コラムは香港よりEXPANSYS Japanの日本人スタッフがお届けしています!