WM3800R |
今述べたように、WM3800Rにはオプションとしてクレードルが用意されており、これを利用することで有線LANの利用も可能だ。
WM3800Rは、前機種「WM3600R」の後継機種にあたり、非常にコンパクトなサイズに小型・軽量化された点が大きな魅力だ。WM3600Rのボディサイズは約95×70×12.8mmだが、WM3800Rは約89.6×52×12.8mmだ。厚みは同じだが縦横サイズが大幅にカットされ、一般的なカード類とほぼ同等サイズとなっている。さらに、重さが約80gという点も魅力だ。
ボディカラーは3色。
クレードルの利用例。
クレードルの前面と背面。充電スタンドとしての使用も可能。ルータモードとAPモードの切替も可能。 |
携帯性に優れる端末へと進化したWM3800Rだが、駆動時間は実用レベルをキープしている。連続通信時間は最大約8時間で、連続待受時間は最大約20時間、そして休止状態での待機時間は最大約250時間だ。しかも、WM3800Rでは、休止状態での待機時からの起動が約6秒で完了するクイック起動性能を持つ。これにより、休止状態の利用が前機種よりも使いやすくなった。
さらに、休止状態での待機時間はWM3600Rが最大約170時間に対し、実はWM3800Rでは約80時間程度伸びている。WM3800Rではこの休止状態での待機を上手く活用することで、実質的に長時間の運用が可能となる。
そして、休止状態からの起動については、スマートフォン向けアプリ「Aterm WiMAX Tool」を使い、リモートで行うことができる(※今後提供予定の最新バージョンで対応予定)。例えばカバンの中にしまった状態で、手元のスマートフォンから休止への移行や起動が手軽にできるため、操作面からも休止状態を利用しやすい。
「休止状態」ボタンをタップすれば休止状態へ。 |
画面中央に表示された「リモート起動」ボタンをタップすると起動が可能。 |
また、バッテリー容量は2,000mAhだが、WM3800Rはいわゆる“モバイルチャージャー機能”を有し、USBケーブルを介して外部機器への給電が可能となっている。WM3800Rをモバイル充電器代わりに使い、スマートフォンなどの充電ができるのは便利だ。
外部給電はWM3800Rを休止もしくは電源オフにした状態で行うことができ、バッテリー容量が20%になると自動的にストップするようになっている。ただし、この閾値はユーザーが設定変更することが可能で、20%のほか40%、60%に設定できる。
付属のケーブルを使ってスマートフォン等への給電が可能。 写真は実際に充電中の例。スマートフォンの通知LEDが充電中を示すよう光っているのが分かると思う。 (写真ではスマートフォンの頭が下を向いているので通知LEDは左下にある) |
一目で分かる変化は他にもある。
WM3800Rはルーターの状態表示をLEDではなく、小型有機ELディスプレイで行うようになった。
有機ELディスプレイには電波受信レベル、接続状態、有線接続状態、無線LAN状態、バッテリー状態と残量が見やすいアイコンで表示される。WM3600Rはディスプレイ非搭載で、LED表示のみだったため、状態確認はWM3800Rの方がしやすい。
実機での確認。有機ELディスプレイの表示は非常にクリアで見やすい。 |
ネットワーク性能では、まずはWiMAXハイパワーに対応する。さらに、公衆無線LANサービスの利用も可能だ。公衆無線LANエリアに入ると自動的にネットワーク切替が行われるので、ユーザーの手を煩わせることもない。WiMAXと公衆無線LANのどちらを優先して接続するかも設定変更できる。対応する公衆無線LANサービスは「UQ Wi-Fi」「Wi2 300/プレミアム」「BBモバイル」「ホットスポット」「livedoor Wireless」「ワイヤレスゲート」「ケーブルTV Wi-Fi」と豊富だ。
Wi-FiはIEEE802.11b/g/n準拠で、Wi-Fi機器の同時接続台数は最大10台となっている。
細かい機能では、USBケーブル接続での通信(Ethernet over USB機能)にも対応する。WiMAXの回線が切断したときに自動的にWi-Fiを停止する機能も搭載されている。
なお、カラーラインナップはピンク、ホワイト、ブラックの3色で、付属品はACアダプタ、USB通信ケーブル、USB給電ケーブル(外部給電時に使用するもの)、つなぎかたガイド、保証書類、CD-ROMとなっている。NECアクセステクニカ製のルーター製品ではお馴染みの「AtermらくらくQRスタート」のシートも同梱される。これはQRコードをスマートフォンのカメラを使って読み取るだけで、簡単に接続設定ができるものだ。
WM3800Rのモックでカラーラインナップを確認。
WM3800Rのモック。デザインテイストはWM3600Rから継承されている部分もある。 |
加えて、スマートフォンの画面上にQRコードを表示することもできるので、2台目以降のWi-Fi端末をWM3800Rに接続させる際や、家族、友人や同僚などに一時的に回線を提供する場合などにも便利だ。
このようにらくらくQRスタートのQRコードをスマートフォンにも表示できる。 |
UPDATE
試用レポート記事を公開しました。
【試用レポート】 WiMAX対応小型軽量ルーター「Aterm WM3800R」 第1回:パッケージ、本体外観、クレードル等
【情報元、参考リンク】
・UQオンラインショップ/WM3800R商品ページ
・UQコミュニケーションズ/プレスリリース