Project SHIELD |
Project SHIELDはこれまで日本の任天堂、ソニーらが開発・販売してきた携帯ゲーム機とは全く異なる特徴を持つゲーム機で、複数のプラットフォームのゲームを遊ぶことが可能になっている。
これはProject SHIELDの開発背景に、“ゲームはオープンかつ柔軟であるべき”との考え方があるためだという。
具体的にはProject SHIELDではAndroidのゲームアプリとPCのゲームソフトを遊ぶことができる。Project SHIELDはAndroid端末として、他のスマートフォンなどと同様に、米Googleが運営するコンテンツストア「Google Playストア」上のゲームアプリを遊ぶことができる。
Android端末でもるProject SHIELDにはAndroid 4.1(開発コード「Jelly Bean」)がOSとして搭載され、ゲーム以外のアプリも利用することができる。Hulu、Netflixなどで動画を楽しむこともできる。
Androidを搭載する。HDMI端子を使って、画面をテレビなどに出力することもできる。 |
さらに、ワイヤレスのレシーバ・コントローラとして、NVIDIA GeForce GTX650以上のGPUを搭載したPCからゲームをストリーミング・プレイすることができるようになっている。自宅内のどこにいても、PCの「STEAM」ゲームライブラリにあるゲームを楽しめる。今のところはこのワイヤレス・レシーバ機能に対応しているサービスは「STEAM」のみ。しかも、Project SHIELDにはHD解像度(1280×720)のマルチタッチ対応「Retinaディスプレイ」が搭載され、美しい映像でゲームを楽しむ事が可能だ。画面サイズは約5インチで、DPIは296dpiとなっている。
Wi-Fi(無線LAN)は802.11n 2x2 MIMOをサポートし、安定かつ高速での通信が可能となっている。PCでのストリーミング・プレイを快適に行う上でもネットワーク性能の高さは鍵となる。
また、コントローラを搭載するProject SHIELDだが、ディスプレイでのタッチ操作も可能で、それにはTegra 4 Direct Touchテクノロジを活かしている。このテクノロジを利用することで、Project SHIELDでのタッチ操作のレスポンスは他のタッチ端末に比べて3倍以上高速になっている、ということだ。
コントローラについては据え置きゲーム機レベルの質の高さで、一般的携帯ゲーム機のそれとは全く異なる本格さだ。人間工学に基づいた設計がされ、持ちやすく、操作しやすいものと見受けられ、NVIDIAは究極の操作性と精度を求めるゲーマーの要求にも応えることができると主張している。実際、このコントローラであれば、FPSや本格的なアクションゲーム、スポーツゲームでも快適に操作することができそうだ。
コントローラは据え置きゲーム機レベルの質を持ち、人間工学に基づいて設計されている。 |
今少し触れたようにProject SHIELDには最新のモバイルプロセッサ「Tegra 4」が搭載される。ARMの最新型CPUコアである「Cortex-A15」をクアッドコアで搭載し、72個のカスタムコアを採用したGeForce GPUを備える。
NVIDIAの共同創立者兼CEOのJen-Hsun Huang氏は次のように述べている。
「Project SHIELDは、ゲームが大好きで、新しいプレイ方法を生みだしたいと考えたNVIDIAエンジニアが開発したものです。モバイル・テクノロジとクラウド・テクノロジの進化によって我々はボックスの呪縛から逃れられる、好きな場所、好きなスクリーンでゲームが楽しめるようになるというビジョンに触発されたわけです。iPodが音楽を変え、Kindleが本を変えたように、ゲームを変えるデバイスが作りたい、新しいクールなやり方でプレイできるようにしたいと考えたのです。我々と同じように、世の中のゲーマにもSHIELDを楽しんでいただければ幸いです」
また、Project SHIELDは多くのゲームメーカーがサポートを表明しており、コメントを寄せている。
Ubisoftの共同創立者でありCEOのYves Guillemot(イブ・ギルモ)氏は「新しいハードウェアが開発されることは、Ubisoft社にとって大きな喜びなわけですが、今回のProject SHIELDは、モバイル・ゲーマにとってもPCゲーマにとっても、いままでにないすばらしいゲーム体験をもたらしてくれるものだと思います。PCバージョンの『Assassin’s Creed III』をProject SHIELDで走らせてみれば、私がなにを言いたいのか、よくわかっていただけるはずです。Ubisoftとしては、今後も末永く、NVIDIAとおつきあいしていきたいと考えています」と述べている。
また、Epic Gamesの副社長であり共同創立者のMark Rein氏は次のコメントを寄せている。
「Project SHIELDで、NVIDIAは、妥協のない高性能コンソールに匹敵する体験をモバイル機器で実現してくれました。最新のUnreal Engineテクノロジを活用した『Real Boxing』や『Hawken』などの驚異的なゲームをProject SHIELDで走らせてみましたが、すばらしいできでした。しかも、これは始まりにすぎません。これほど小さなゲーム機器にすさまじいパワーが秘められているわけで、今後、Unreal Engine関連のデベロッパがこのパワーをどう活用してくれるのか、楽しみでなりません」
さらにMeteor Entertainmentの最高製品責任者Bill Wagner氏は「オープンなPCプラットフォームに慣れている我々としては、Project SHIELDは、アクセス性が優れている点や、どのような場所でもゲームが楽しめる柔軟性がある点などがすばらしいと思います。Project SHIELDが登場したおかげで、今後は、『Hawken』など、無料でプレイできるPCゲームをハンドヘルドのゲーム機器にも提供することが可能になるわけです」と述べている。
microSDカードスロット、HDMI、USB、オーディオ端子を備える。 |
なお、NVIDIAのプレスカンファレンスは下記リンク先で録画動画が配信されているので気になる方はチェックしてみよう(※動画は1週間視聴できる予定)。
http://www.nvidia.com/object/ces2013.html
【情報元、参考リンク】
・NVIDIA/Project SHIELD
・NVIDIA/プレスリリース