▲STREAM 201HW |
両機種とも10月に発売になり、どちらも下り最大76Mbpsのデータ通信を利用できる。年内にはもう1機種、シャープ製の「PANTONE 6 200SH」が登場する予定だが、それを入れても3つしか選択肢がないこともあり、約2か月前に発売された機種とはいえ、STREAM 201HWとRAZR M 201Mも有力選択肢のまま変わりがない。
それだけに今でもまだレビュー記事として役立つ部分があると思うので、購入を検討している方の参考に少しでもなれば幸いだ。
今回は第1回目として、まずはSTREAM 201HWの基本仕様のおさらいと、全体的な感想を紹介したい。
【基本仕様】
STREAM 201HWのOSはAndroid 4.0(開発コード「Ice Cream Sandwich」)だ。
プロセッサにはQualcomm MSM8960 デュアルコア1.5GHzを採用し、内蔵メモリは1GB RAM、4GB ROM。端末の心臓部であるプロセッサと内蔵メモリは現在のスマートフォン市場ではハイエンド向けとは言えないが、デュアルコア1.5GHzは十分スピーディーに動作する。
▲約4.3インチ・ディスプレイ、ボディサイズは約133×65×9.9mmで、持ちやすい。 |
また、ディスプレイは約4.3インチのスーパー有機EL(Super AMOLED)で、解像度は960×540ドット。有機ELならではの鮮やかな発色はSTREAM 201HWでも同様で、写真や動画などを見るには特に威力を発揮し、キレイに見える。バッテリー容量は1,930mAhで、本体サイズは約133×65×9.9mm(最厚部:13mm)、重さは約131gだ。
ネットワークは前述したようにSoftBank 4Gに対応し、下り最大76Mbpsでのデータ通信ができる。3G、Wi-Fi(無線LAN)にも対応し、Wi-FiはIEEE802.11b/g/n準拠。ソフトバンクモバイルのプラチナバンドにも対応している。さらに、STREAM 201HWには、複数のアンテナによって電波を受信する「ダイバーシティアンテナ」と、ネットワークを素早く検出する独自技術の「ダイナミック シングルコントロール」という機能が搭載され、電車や車での移動中でも安定した通信が可能となるなど、ネットワーク性能が高い点も特徴だ。
カメラは前面のサブカメラと背面のメインカメラの2基構成で、サブカメラの有効画素数は約130万画素、メインカメラは約800万画素となっている。画素数は平凡だが、メインカメラには約1.8秒で10枚の連続撮影が可能な高速連写機能が備わっている。
STREAM 201HWはプレーンな状態に近いシンプルなAndroid端末ということもあり、国内定番機能であるワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイには非対応だ。余計なプリインストールアプリも少ない。防水・防塵性能も備えていない。そのため、これらの機能を求める層には向かない機種と言えるが、それらを必要としない方には逆にシンプルで良いだろう。
【感想】
STREAM 201HWは良くも悪くも際立った特徴、クセのない端末で、無難という表現が適切かもしれない。デュアルコア1.5GHzのプロセッサだが十分快適に動く。また、SoftBank 4Gが思いのほか速く、下りで10~30Mbps前後の速度が普通に出ている。各社の高速通信サービスではauの「4G LTE」がカバーエリア、実効速度共に高い品質に達していると感じるが、SoftBank 4Gも悪くないレベルにある。平均的に10~20Mbps程度の下り速度が出ている印象なので、ウェブサイトの閲覧をはじめ、インターネット利用がかなり快適だ。
特にYouTubeなどのインターネット動画を視聴する際に待ち時間が少なくイライラしないで済むのがありがたい。上りでも5~10Mbps程度の速度が平均的に出ている印象であり、写真や動画などのデータをアップロードする機会の多いユーザーにとっても魅力的だと思う。
▲ルノアール秋葉原店の店内で実施した速度テストの結果例。
実際、このSoftBank 4Gの速度性能は意外によく、STREAM 201HWの大きな魅力の一つになっている。正直なところ、ソフトバンクモバイルの通信回線には“遅い”、“繋がりにくい”、“よく途切れる”、“エリアが狭い”などの印象を持っている方が多いと思うが、SoftBank 4Gはそれらのイメージを覆すパフォーマンスがありそうなので、今後のエリア拡大にも期待したい、と感じた。
動作パフォーマンスを示す指標としてはベンチマークアプリである「Quadrant」におけるスコアはTotalで5490、CPUが9782、Memが8048、I/Oが6382、2Dが1006、3Dが2243となっている。「安兎兎ベンチマーク」では総合で11090、CPUが3499、RAMが2018、GPUが4876、I/Oが679といった具合。
▲左:Quadrantでのテスト結果、右:安兎兎での結果。
体感性能としても特に気になる引っかかりなどはなく、普通に日常利用していてストレスが発生しにくいレベルにある。ただ、クアッドコアCPU搭載機と比較すると、アプリのオープン/クローズ時などに若干の引っかかりもあり、さすがに“超速”とは言えない。しかし、STREAM 201HWを使っていてスピード面で特に不満を感じるシーンは少ないように思う。
“速度”といえば、高速ブート機能もこの端末の大きな特徴だ。
STREAM 201HWには高速ブート機能が搭載され、非常に短い時間で電源をオンにできる。実際に測ってみると、電源ボタンを押してから約9秒位で使える状態になる。高速ブート機能をオフにした状態だと約30秒程度かかるので、かなりの短縮になっていることがわかる。これは実際に便利だ。
ボディは、最近のスマートフォンの中ではディスプレイが約4.3インチと大型ではないこともあり、ちょうどよい手頃な大きさ。大きく持ち替えなくても片手で何とか操作できるギリギリのサイズで、手の大きさに左右されるもののディスプレイの上端にも指を伸ばせば届くレベル。個人的にはスマートフォンのディスプレイの大きさ、ボディの大きさはこの位がベストと思う。また、側面がラバー質になっているので、持ち心地が良く、ホールドしやすいのもいい点の一つだ。側面ラバーはディスプレイ面より若干上に出ているので、ディスプレイ面を下にして端末を置いたときにも画面に傷がつくことはないようになっている。
▲側面がディスプレイよりやや上に出ていることが分かると思う。ケース要らずかもしれない。 |
▲ディスプレイは発色が鮮やかで、視野角も広い。 Androidメインキー(ホーム、戻る等)はタッチタイプで、ディスプレイとは別途表示エリアが用意されている。 |
また、ディスプレイは有機ELなので発色が良く、写真や動画がキレイに見れる。これはSTREAM 201HWに限らず有機EL搭載端末に共通の特徴だが、キレイなことは確かだ。ただし、有機ELの発色具合と液晶のそれは全く異なり、好みによる部分も大きいので、実際に購入する際には実物で確認した方が無難だ。良い意味では鮮やか、悪い意味では派手な発色なので、好みが分かれるところだと思う。
他にはメインカメラの連写機能が印象的だ。
約1.8秒で10枚撮れるので、動きのあるシーンでも撮り逃さずに済むかもしれない。連写機能については速度が肝心で、1.8秒で10枚という速度は魅力だ。ただし、サポート機能は弱い。例えば連写した写真の中からベストショットを選んで他をまとめて捨てる、といった機能はない。この辺りは撮った後にギャラリーから自分で取捨選択作業をする必要がある。
STREAM 201HWは文字入力も楽だ。日本語入力アプリとしてプリインストールされている「FSKAREN」が快適で、素早く、確実に文字入力ができる。FSKARENはATOKと比べても見劣りせず使いやすい。筆者はQWERTYキーボードを好んで使うのだが、QWERTY配列でもフリックが使え、数字や記号をフリックで素早く入力できるのはとても便利だ。キーボードを切り替えずに済む分、入力時間と手間が少なくなるからだ。そして、フリック対応、長押し対応の十字キーが非常に便利だ。十字キーはフリックで上下左右を切り替え、そのままカーソル移動が可能で、長押しをすると連続移動もできる。文字を修正したいときなどにとても重宝する。
▲FSKAREN。各キーの下部に小さく表示されている文字はフリックで入力できるので便利。
主な感想は以上の通りだが、STREAM 201HWの魅力を箇条書きにすると下記のようになる。
- SoftBank 4Gが速い。
- 動作パフォーマンスもまずまず。
- 高速ブートが本当に速い。
- ボディが持ちやすく、操作しやすい。
- ディスプレイの表示がキレイ。
- メインカメラの連写機能が便利。
- 日本語入力アプリ「FSKAREN」が使いやすい。
一方、ワンセグ・おサイフケータイ・赤外線通信・防水・防塵に非対応な点は、それらの機能を望む方には合わない端末ということになってしまう。
しかし、シンプルかつオーソドックスな端末なので、特に人を選ぶことはないと思う。そして、何よりSoftBank 4Gが意外に速いので、SoftBank 4Gのエリア内での利用が多い方は満足できる端末になるように思う。
第2回目では外観、ディスプレイ、パッケージなどについて紹介していきたい。
【情報元、参考リンク】
・STREAM 201HW製品紹介ページ
・STREAM 201HW タッチ&トライ・イベント・レポート 前編~プレゼン紹介~
・STREAM 201HW タッチ&トライ・イベント・レポート 後編~端末のファーストインプレッション~
・【新機種レポート】 下り最大76Mbpsをいち早く体験できるSoftBank 4G対応スマートフォン「STREAM 201HW」