Optimus G L-01E(レッド)
実際にこの冬に買い替えや新規購入を検討している方にとっては、秋モデルと冬モデルは分けて考えずに一緒に比較検討することになるはずだ。そして、中身を見ても秋モデルと冬モデルにスペック上の大きな差異はなく、逆にOptimus Gは今秋のみならず今冬を含めても十分にフラッグシップの位置付けにあるハイエンド向けモデルだ。そして、Optimus Gは基本スペックが良いだけでなく、いわゆる“全部入り”だ。
これから購入を考えている方の参考に少しでもなれば幸いだ。
第1回では、基本仕様のおさらいと全体的な感想を紹介したい。
【基本仕様】
Optimus GのOSはAndroid 4.0(開発コード「Ice Cream Sandwich」)、プロセッサはQualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064(クアッドコア1.5GHz)、約4.7インチIPS液晶(1280×720ドット)、内蔵メモリ2GB RAM、16GB ROM、外部メモリは最大64GBのmicroSDXCカードまでサポートするmicroSDカードスロットで、メインカメラの有効画素数は約1325万画素、サブカメラは約137万画素、ネットワークはXiとFOMA、Wi-Fiに対応し、Bluetoothは4.0をサポートする。
前述したように“全部入り”なので、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、防水に対応する。しかも、防水はキャップレス防水に対応しているので、microUSB端子、3.5mmヘッドフォン端子はキャップ無しでそのまま防水性能を持つ。
バッテリー容量は2210mAhで、本体サイズは約137×69×9.4mm、重さは約145g。カラーラインナップはレッドとブラックの2色展開だ。Optimus Gにはau向けの「Optimus G LGL21」もあるが、カラーラインナップは異なる。
Optimus G L-01E(レッド)のプレス画像
Optimus G L-01E(ブラック)のプレス画像
そして、機能面では手書きメモの「Qメモ」、ワンセグや動画を透過表示し、視聴しながらその他の操作ができる「Qスライド」、最適化されたCPU制御を行い、バッテリーの持ちをよくする「Ecoモード」、Wi-Fi Direct、MHLなどによって外部ディスプレイに映像を出力できる「デュアルスクリーン」などを備える。デュアルスクリーンでは、外部ディスプレイとスマートフォンのディスプレイに表示する内容を変えられるので、プレゼン時などに上手く活用できる。
また、「Qメモ」はメモを画面に表示しながら、その他の操作ができるので、単純なメモ機能と違い利便性が高い。
左:Qメモの例。メモを表示しながらスマートフォンの操作ができる。
右:Qスライドの例。ワンセグを透過表示し、視聴しながらスマートフォンを操作できる。
右:Qスライドの例。ワンセグを透過表示し、視聴しながらスマートフォンを操作できる。
【全体的な感想】
Optimus Gの大きな魅力となっているのはQualcomm APQ8064と2GB RAMを搭載している点だ。
APQ8064によって基本的な動作パフォーマンスが非常に良く、本当に文字通り「サクサク」動く。しかも、Ecoモードを利用して動作性能を落とした状態でも一般的な機能・アプリであれば、十分機敏に動くので、一昔前のXiスマートフォンとは全く違う次元に突入したことを感じる。そして動作パフォーマンスには2GB RAMも大きく寄与している。2GBのメモリを積むことで、余力が生じ、様々なアプリを同時に使い分けても十分なレスポンスで操作することができる。
最近のアプリはホームアプリも含めてメモリを大量に使うものも増えてきており、2GBという容量はありがたい。
クアッドコア、特にAPQ8064と2GB RAMの能力は本当に素晴らしい。
そして、キャップレス防水仕様もOptimus Gの大きな魅力だ。
Optimusシリーズは「Optimus it」や「Optimus Vu」もキャップレス防水仕様なので、Optimus Gだけの特徴ではないが、キャップ無しで防水を実現しているのは本当に便利だ。キャップの閉め忘れや劣化を気にしなくて済むので、気軽にお風呂やキッチンで使うことができるし、雨の日でも不安なく使用できる。
キャップレス防水のため、microUSB端子とヘッドフォン端子にはキャップがない。
また、よくメモを取る機会のあるビジネスマンなどに便利な機能が「Qメモ」だ。
Qメモは手書きメモを作成できる機能だが、書いたメモを画面に表示したまま、スマートフォンのその他の操作が可能になっている。これにより、例えば電話番号をメモしたまま、画面に表示された番号を見つつ電話アプリで発信する、といったことが可能になる。この機能は本当に便利で、一度使い方を覚えると重宝するだろう。
連続して撮影した写真。メモを表示しながら端末の操作ができる。
メモを見ながらウェブページの閲覧、電話の発信、メールの作成など、様々な使い方ができる。
メモを見ながらウェブページの閲覧、電話の発信、メールの作成など、様々な使い方ができる。
正直な感想として、Optimus Gは今秋・今冬モデルの中で1、2を争うハイパフォーマンス・モデルと言える。どれを購入して良いか迷っている場合に、何となく購入したとしても後悔する可能性の低いスマートフォンだろう。さらに、発熱も気になるほどはなく、ハイスペックモデルながら十分に抑えられている。
とにかく動作パフォーマンスと機能面では言うことなしで、ほぼパーフェクトだ。ただし、その他の点でいくつか気になることもあったので、それについても触れておきたい。
それはサイズ、ボタン、ワンセグのアンテナ、卓上ホルダだ。
まずはサイズだが、やはり137×69mmはかなり大きい。また、四隅のR、ラウンドが小さいので持ち方によっては掌に角が食い込み気味になる。もちろん大きい分、それに比例して画面も大きいので映像の迫力は出る。サイズと画面の迫力はトレードオフの関係にあるので、どちらを優先するかは人それぞれだが、実際に購入する際には手に取ってサイズを確認してみることをオススメしたい。
次にボタンだが、電源ボタンとボリュームボタンの凸部の高さが小さく、やや押しにくいと感じた。人によると思うが、購入前に実際に確認されることをオススメしたい。
電源ボタンとボリュームボタンの凸部が小さく、やや押しにくいと感じた。 |
ワンセグのアンテナは引き出しはしやすいのだが、逆に収納時のロックが弱く、意図せず引き出されてしまうことがある。例えば、ポケットから端末を取り出すときに、アンテナもポケット内で引っかかってカンタンに伸びてしまう、というシーンがあった。この点も自分が実際に使う場合にどのような収納をするのか等、確認した上で購入したい。
左:背面の角のラウンドが小さく、手のひらに食い込みがち。
右:ワンセグのアンテナ。引き出しやすい一方、意図せず引き出されることも。
右:ワンセグのアンテナ。引き出しやすい一方、意図せず引き出されることも。
最後に卓上ホルダだが、ホルダにOptimus Gをセットする際、ボリュームボタン側を下にすることになるため、ワンセグや動画視聴中に音量調整がボタンでできないようになっている。これが意外と面倒だったため、ホルダを利用して動画を長時間見る事の多い方は注意してほしい。
卓上ホルダにセットしたところ。ボリュームボタンが押せなくなってしまう。 |
ただ、気になる点はせいぜいそれくらいだ。サイズは欠点ではなく、単に大きいという話にすぎず、ボタンとワンセグアンテナ、卓上ホルダについても、大きな問題ではないし、気にならない人は気にならないだろう。
そのため、現時点で得られうるパーフェクトに近いハイスペック端末である点は間違いない。
次回以降では、本体、機能などについて実機の写真をまじえて見ていきたい。
また、Optimus Gについては発表会レポートも用意しているので、関心のある方はそちらもチェックしてほしい。
【情報元、参考リンク】
・Optimus G L-01E製品紹介ページ
・GAPSIS/【一条真人取材レポート】 オレ予想では日本市場のトップを狙える端末「Optimus G」。発表会&端末レビュー