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STREAM 201HW タッチ&トライ・イベント・レポート 前編~プレゼン紹介~

ソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)は9日に今冬・来春向けモデルの新商品発表会を開催し、高速通信サービス「SoftBank 4G」に対応したスマートフォンを複数発表した。しかし、年内にリリースされるスマートフォンは3機種のみであり、それはファーウェイ製の「STREAM 201HW」とMotorola製の「RAZR M 201M」、シャープ製「PANTON 6 200SH」だ。

左:イベントの模様、右:10月10日に発売となったSTREAM 201HW。

このうち、最も早く登場したのがSTREAM 201HWで、発表会の翌日である10日に販売開始となり、すでに入手可能だ。

SoftBank 4Gはソフトバンク傘下のWirelessCityPlanningが展開するAXGP方式の通信インフラを利用した、下り最大110Mbpsの通信サービスで、ソフトバンクは今回初めて対応スマートフォンを用意した。

記念すべき第一弾スマートフォンとしてリリースされるSTREAM 201HWは、その高速通信をいち早く体験できる端末となる。

STREAM 201HW

ファーウェイはAndroid情報サイト「AppComing(アップカミング)」と協力し、このSTREAM 201HWの魅力を伝えるタッチ&トライ・イベントを10日・11日に都内で開催した。今回の記事では、そのイベントの模様をお伝えしたいと思う。

イベントの構成は、ファーウェイによる会社・製品紹介のプレゼンと、筆者GAPSIS編集長 長田による、日本市場で展開されたファーウェイ製品を振り返って紹介するプレゼン、そしてSTREAM 201HWのタッチ&トライとなっている。


≪ファーウェイ・セッション≫

ファーウェイのセッションは端末統括本部 マーケティング統括部 PR マネージャーの小笠原氏が会社紹介を担当し、STREAM 201HWの紹介を端末統括本部 マーケティング統括部 マーケティングマネージャーの陳雲龍氏が行った。以下、その概要を紹介したい。

左から順に小笠原氏、陳氏。


●ファーウェイについて

ファーウェイが手掛ける事業分野は主に次の4つ。
  • キャリア・ネットワーク
  • エンタープライズ(法人向け)
  • コンシューマー
  • 次世代事業

世界のトップ50社の通信事業者のうち45社がファーウェイの技術を採用し、世界140ヶ国以上の人々がファーウェイの製品を利用している。これは世界人口のおよそ3分の1に相当する規模で、同社のサービスは世界的な広がりを見せている。


“通信の可能性を広げたい”をテーマに、世界で15万人以上の従業員を抱え、そのうち44%が研究開発に従事している。技術者を多く抱えることはファーウェイの特徴の一つで、特に現在は最新通信技術「LTE」に注力し、開発に取り組んでいる。



その結果、LTEネットワーク実用化の実績はすでに世界トップに立つ。世界で89の商用LTEネットワークのうち45がファーウェイの実績となっている。


端末は世界で500社以上の通信事業者に提供している。

日本拠点は2005年に設立し、今年で7年目に入る。

日本市場ではスマートフォン、タブレット、キッズケータイ、デジタルフォトフレーム、データ通信端末などを展開している。デジタルフォトフレームは2011年度にNo.1、データ通信端末は4年連続でトップに輝いている。




●STREAM 201HWについて

ここではSTREAM 201HWの大きな特徴のみを解説。“4つのFAST”が大きな特徴。4つのFASTの内訳は、“ダウンロードが速い”、“動作が速い”、“カメラが速い”、“ブラウザが速い”だ。


<ダウンロードが速い>

SoftBank 4Gに対応することで、下り最大76Mbpsでのデータ通信ができる。これにより、非常に速いスピードでデータのダウンロードが可能。3Gハイスピードに比べて、理論的最大値で約5倍に相当する速度であり、さらには低遅延通信で待ち時間のイライラもない。データの送出開始時間は3Gハイスピードでは255ms程度だが、SoftBank 4Gではそれと比べて約8分の1の30ms位になる。


<動作が速い>

プロセッサにQualcommのMSM8960(デュアルコア1.5GHz)を採用し、非常に速い動作性能を実現している。複数のアプリを同時に実行してもストレスなく、軽快に動作する。さらに、不要な描画処理や無駄な機能の呼び出しを極力減らすなど、Android OSのプロセスを最適化して、端末の処理速度を極限まで高めている。

また、電源オフの状態から僅か5秒程度で起動できる、高速起動性能を実現している。映画館や病院、電車や飛行機など、電源をオフにしなければならない時でも、後からすぐに端末を起動させることができるので、待ち時間がなく便利だ。


<カメラが速い>

連写機能があり、1.8秒で10枚の連続撮影ができる。また、裏面照射型のCMOSセンサーとノイズ除去技術によって、暗い場所での撮影や、逆行時の撮影も綺麗に行うことができるようになっている。


<ブラウザが速い>

STREAM 201HWでは、タッチ感度・タッチ操作のレスポンスのチューニングにおいて標準ブラウザで詰めていることもあり、特にウェブブラウザでのタッチ操作のレスポンスが良い。もちろん全体的にも良いが、指を動かした分だけ正確に画面をスクロールできたり、指の動きに正確なレスポンスが返ってくるため、快適なウェブブラウジングができるようになっている。



≪ファーウェイ製品の進化~日本市場向け製品を振り返る~≫

ファーウェイが日本市場向けに投入した製品について、メディア及びユーザー視点での感想を含めた形で紹介する、ということで、今回筆者も呼ばれ、登壇した。

右下が筆者
●ファーウェイの製品ポートフォリオ

ファーウェイはスマートフォン/携帯電話、ホームデバイス、データ通信端末、モジュール等の製品を開発・販売している。このうちモジュールを除く製品について紹介する。スマートフォン/携帯電話はSTREAM 201HW、Ascend HW-01Eまでを含めて計9機種が日本で販売されている(Ascend HW-01Eはまだ未発売)。ホームデバイスはデジタルフォトフレームをドコモ、au、ソフトバンク向けに提供している。データ通信端末は最も多い。

ファーウェイはこれらの分野の端末を開発し、かつドコモ、au、ソフトバンク、イー・モバイル、UQ WiMAXら5キャリアに提供している。



●ファーウェイのブランド認知度

すでに多くの製品を展開しているファーウェイだが、ブランド認知度が高いとは言えないように見える。それだけに、10上旬に千葉県・幕張メッセで開催されたIT・エレクトロニクス展示会「CEATEC JAPAN 2012」への出展が今後の認知度向上へ向けた取り組みとして注目だ。

CEATECへの同社の出展は初めてだが、今回の出展ブースはドコモ、KDDI、シャープらと隣接するエリアで、かつ巨大なスペースを取っていたこともあり、初出展ながら十分に多くの人で賑わうブースとなっていた。

筆者自身がファーウェイのブランド認知度は高くないのでは? と考えた根拠の一つに、昨秋ソフトバンクから発売されたVision 007HWのイベント告知記事へのアクセス数がある。昨秋もAppComing協力のもと、ファーウェイはタッチ&トライのイベントを開催した。そのときの端末がVision 007HWだ。

GAPSISでもそのイベントの告知記事を用意し、公開したのだが、実は631PVしかなかった。すなわち631回しかその記事へのアクセスが無かった、ということだ。これは思いのほか少なく、当時、ファーウェイという企業の名称自体が広く浸透していない結果なのではないか、と考えたことを覚えている。

とはいえ、イベント参加後に公開したイベントレポート記事のPVは10,792と、まずまずの数字を記録しており、Vision 007HWという端末自体への関心はある程度あることが分かった。

さらに、イー・モバイル向けスマートフォン GS02のタッチ&トライ・イベントのレポート記事のPVは34,562を記録している。GS02はイー・モバイル向けとして、初の本格派スマートフォンだった影響もあるかもしれないが、Vision 007HWよりも注目度が高かった。とはいえ、これはファーウェイ製としての注目よりも、イー・モバイル初の本格派スマートフォンとしての注目かもしれない。

そして今回だが、STREAM 201HWのイベント告知記事は11,294PVを記録している。今回は、イベント告知段階では製品名を出していない。にもかかわらず1万を超えたことは、ファーウェイの企業としての認知度が向上している証の一つではないか、と考えられる。

※PVは2012年10月9日現在の数字。


●データ通信端末/ホームデバイス/携帯電話での状況

データ通信端末は、すでに実績十分で、2008年度から2011年度まで4年連続で国内販売数量トップに立っている。「Pocket WiFi」シリーズの認知度はとても高く、シリーズ製品の多くをファーウェイが供給している。また、auの「Wi-Fi WALKER」も同様に「DATA08W」などがヒット商品の一つとなっている。

データ通信端末と同様にホームデバイス分野でもすでに成功している。2011年度のデジタルフォトフレームの国内販売数量でトップに立っているからだ。スマートフォン以外の携帯電話ではドコモ向けの「キッズケータイ」シリーズがライバル不在の人気だ。特に最新のキッズケータイ HW-01Dはドコモの夏モデルとして発表・発売されたが、筆者もオススメの端末だ。

この3つの製品分野においてはすでに成功を収めている。しかし、スマートフォンではまだヒット商品が出ていないように見える。実際、スマートフォン分野は同社にとってこれからのチャレンジになるのだろう。



●スマートフォン

ファーウェイは過去に下記の端末を日本市場でリリースしている。
  • Pocket WiFi S(S31HW) イー・モバイル向け
  • Pocket WiFi SII(S41HW) イー・モバイル向け
  • Vision 007HW ソフトバンク向け
  • GS02 イー・モバイル向け
  • GS03 イー・モバイル向け

そして今秋以降に2機種をリリースする。ドコモ向けのAscend HW-01Eとソフトバンク向けのSTREAM 201HWだ。

最初にリリースされたPocket WiFi SとSIIは、「Pocket WiFi」シリーズとして発売されたことからもイメージできるように、モバイルWi-Fiルーター機能、すなわちテザリング機能をメインとし、スマートフォンとしての側面はおまけ的な印象の端末。実際、ディスプレイのサイズも小さく、表示できる情報量が少ないので、スマートフォンとして使っていくにはやや不十分といった感があった。

そしてVision 007HWが昨秋リリースされた。

ファーウェイが日本市場向けに投入する初の本格的スマートフォンであり、ソフトバンク向け初のファーウェイ製スマートフォンでもある。ラウンドガラスを採用し、高級感の演出と持ちやすさを両立させた点が最大の魅力。また、日本語入力アプリに「FSKAREN」を採用した点も特長の一つ。当時のAndroid端末ではカーソルキーの機能が十分ではないものも多く、FSKARENの優秀さは魅力となった。


GS02はVision 007HWよりも画面が大きく、大容量のバッテリーを積み、よりオーソドックスなスタイルを採用した端末となった。また、この端末はイー・モバイルとしても初の本格的スマートフォンになり、注目度が高かった。4インチ画面の割にボディ幅は狭く、持ちやすいことと、当時としては最大クラスのバッテリー容量、ワンタッチで主要アプリを起動できるロック画面、Pocket WiFiをホーム画面からワンタッチでオン/オフできるウィジェットなどが便利だった。


GS02から約半年のインターバルを経て登場したのがGS03だ。

GS03は他社製スマートフォンと比較しても遜色のないスペック、デザインの端末。GS02まではその当時の他社製スマートフォンと比較すると、スペック面で秀でた部分は少なく、数多くのラインナップの中では埋没しがちな印象だったが、GS03ではライバル機種に並ぶ段階にまで来たように思える。

Android 4.0、4.3インチのスーパー有機ELディスプレイ、7.9mmという薄型ボディ、1,880mAhの大容量バッテリー、1.5GHzのデュアルコアCPUと、10月の今の時点で見ても十分なスペックを持つ。

そしてAscend HW-01Eだが、この端末はまだ発売されていない。10月~11月に発売予定のドコモ向けモデルだ。STREAM 201HWとは異なる特徴を持つ。

STREAM 201HWは国内定番機能には非対応だが、Ascend HW-01Eはワンセグとおサイフケータイをサポートする。また、STREAM 201HWは4.3インチのスーパー有機EL(960×540ドット)だが、Ascend HW-01Eは4.5インチのHD液晶(1,280×720)、バッテリー容量も若干異なる。ただし、ボディサイズと重さはほぼ同じだ。


大きな差異は国内定番機能の対応有無とディスプレイということになるが、これは各ユーザーそれぞれの好みや用途次第といえる。特にディスプレイは液晶と有機ELでは発色の特徴が全く違うので、明らかに好みで分かれる部分だ。また、バッテリー容量はSTREAM 201HWの方が若干大きい。


Ascend HW-01EはドコモのXi、STREAM 201HWはソフトバンクのSoftBank 4Gに対応し、どちらも高速通信が利用できる。さらに超高速起動や軽快な動作性能も共通。

冒頭で紹介したように、SoftBank 4G対応スマートフォンは、年内には3機種しかリリースされないので、STREAM 201HWは貴重な選択肢だ。




【情報元、参考リンク】
ファーウェイ・ジャパン製『Android搭載スマートフォン新製品タッチ&トライ 2012 Autumn(STREAM SoftBank 201HW)』イベント開催!

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