NECカシオモバイルコミュニケーションズ(以下、NECカシオ)が9月までに全従業員の約4分の1に相当する500人を削減すると日本経済新聞をはじめ複数の大手メディアが17日に報じた。同紙によれば、NECカシオは9月までに早期希望退職の募集や、NECグループへの配置転換などで500人を削減するという。また、早期希望退職では、退職金を上積みし、転職支援も行われる。
しかし、気になるのは人員削減のみならず、今後の携帯電話端末の開発・生産においても変化が起きることだ。
同社が保有する工場では今後はフィーチャーフォン(従来型携帯電話)を生産し、「MEDIAS(メディアス)」シリーズなどのスマートフォンに関しては、アジアのメーカーなどとの共同開発・生産委託に切り替わるという。
MEDIASはNECカシオ製Android(アンドロイド)スマートフォンのブランドとして世間への一定の浸透を実現し、ある程度の台数が売れている。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルら通信事業大手3社へシリーズ端末を供給している。
しかし、現在の国内携帯電話、スマートフォン市場は米Apple製スマートフォン「iPhone」、韓国サムスン電子製「GALAXY」シリーズなどが台頭した影響で、国内メーカーのシェアはフィーチャーフォン全盛時代と比較すると縮小し、厳しい競争にさらされる事態になっている。特にAndroid(アンドロイド)スマートフォンでは、旧ソニー・エリクソン(現ソニー モバイルコミュニケーションズ)の「Xperia」シリーズとGALAXYシリーズが高いシェアを誇り、フィーチャーフォン時代から国内市場で強いシャープですら楽観できない厳しい市場へと変化している。
直近の2011年度第3四半期(2011年10月~12月)の携帯電話端末メーカー各社の決算を振り返ってみてもそれは明白だ。
依然として高いシェアを持つシャープの2011年度販売計画は800万台(フィーチャーフォン、スマートフォン問わず)。国内でトップのシェアを持つシャープでこの台数なので、他の国内メーカーの数字はより低い。NECカシオの2011年度の販売計画は500万台。これまでの3四半期(2011年4月~12月)の9か月間での販売台数は約330万台となっている。
その一方で、Appleは昨年10月から12月の3か月間だけで全世界で3.704万台のiPhoneを販売している。サムスン電子もそれに近い数のスマートフォンを出荷している。
【情報元、参考リンク】
日本経済新聞
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