ちなみにこの2機種の主な違いは、ionが4G LTEに対応していることだ。Xperia Sは日本国内向けの新Xperiaである「Xperia NX」(NTTドコモ向けSO-02D)とほぼ同等となる。
端末の仕様詳細についてはこちらの記事を参照してほしい。
■デザインは?
Xperia Sのデザインは従来のXperiaシリーズから大きく変わり、スクウェアなものとなった。これはバッテリの大容量化(約2割増)に伴うものなのかも知れない。
参考:プレス写真
それでも、単純に四角く平べったくてデザイン的に凡庸になってしまっている多くのスマートフォンと異なり、Xperia的に瀟洒なイメージを保っている。おもな理由は上品なマット仕上げとカラーリング、そして、ボディの微妙な曲線と、ボディ下部のライン状にスケルトンな部分だろう。
Floating Prism |
このスケルトン部分をソニー・エリクソンでは「Floating Prism」と呼んでいる。スケルトン部分はよく見ると3つのアイコンが表示されていて、左から「戻る」、「ホーム」、「メニュー」だ。これらはAndroidユーザーならおなじみのボタンであり、アイコンの上の透明でない部分をタッチすることでボタン機能として動作する。
個人的にはこの透明部分の幅はやや狭すぎるのではないか? と思う。アイコンの識別がやや難しいし、アクセントとしてはもう少し幅が広くてもいい気がする。とはいえ、ボタンの種類などは日常的に使っていれば体が覚えてしまうので、アイコンの識別などは問題ないのだろう。
ボディはサイズの割に持ちやすく、持ち運びやすいと感じた。カラーバリエーションは現時点では白と黒しかないが、ソニー・エリクソンはカラーバリエーションが好きなので、将来的にはきっと違う色も出てくることだろう。
■ディスプレイは?
短時間ながら、いろいろ観察した限りではこの4.3インチで1280×720ドットの解像度を持つディスプレイの表示能力は極めて高く、現時点のトップレベルと言える。その主な理由はコントラストの高さ、発色の良さなどだ。また、液晶のおかげだけではなく、モバイルブラビアエンジンによって、動画再生時のエッジのキレが良い。このあたりはカタログスペックには出ないのが残念なところだ。
■カメラ機能は?
カメラは約1210万画素と高解像度化されたが、撮影画像のクオリティを試すような時間的な余裕がなかったので、明言は避けたい。そんなカメラ機能のなかで感心したのがQuick Launch機能だ。
通常、Androidでスリープ状態から写真を撮影するにはロックを解除して、カメラソフトで撮影しなければならない。これには時間がかかり、普通のデジカメのような素早い撮影は期待できない。しかし、今回搭載されたQuick Launch機能を使うと、スリープ状態から目標にカメラを向け、シャッターボタンを押すだけでスリープから回復、ロックが解除され、写真が撮影される。シャッターを押してから写真が撮影されるまでの時間は実に1.5秒と公称されているが、実際にそれぐらいの素早さを感じる。時間的には、Android的な問題を解決している。
ただし、この機能にも弱点がないわけではない。それは撮影時はスリープ状態なので、当然、ディスプレイが真っ黒で撮影フレームを確認することができないことだ。とはいえ、カメラの画角は使っていると体が覚えてしまうところがあるので、自分のスマートフォンとして使っていれば、あまり問題ではないかも知れない。また、必要があればシャッターボタンで起動するだけに設定することもできる。
Quick Launch機能 |
■HDMI接続は?
HDMI接続やドッキングステーションは簡単に使えていい。家のテレビでXperia内のメディアを見るにはいいだろう。家のテレビがブラビアリンクに対応したソニーのブラビアなら、テレビのリモコンでメニューが操作できるのが便利だ。
■日本向けXperiaの4G対応の可能性は?
デザイン的には大きく変わったXperia Sだが、従来のAVに強く洒落たデザインを持つというXperiaシリーズの基本路線を継承し、より発展させている。他のスマートフォンが高速化に血道をあげる中で、アイデンティティを持っているのはナイスだ。
ちなみにXperia ionは4G LTE対応モデルだが、日本市場に出てくる可能性は低そうだ。その理由は通信高速化によるバッテリの消費が大きすぎるからのようだ。
(記事:一条真人)
【情報元、参考リンク】
GAPSIS/ソニーブランドの次世代スマートフォン「Xperia S」が正式発表。Xperia NXTシリーズの第1弾モデル
GAPSIS/Xperia NX SO-02Dが正式発表。2月以降に発売予定。1.5GHzデュアルコアCPU、HD液晶、高機能カメラ搭載