【CES特集】今年のCESで見えてきた今後のAndroidの方向性

GAPSIS編集部 2012年1月24日

2012 International CESより

米ラスベガスで世界最大の家電見本市「2012 International CES」が開幕する前日（1月9日）のUnvealedで「直近のAndroid単体の進化は通信速度、ハードスペックの向上など延長線的なものが大部分になりそうなので、今後は他のデバイスとどう接続するか？　とかサービスと組み合わせた進化が面白くなるのでは？」というようなことを知人と話していたのだが、まさに今年のCESの各ブースはそのような様相だった。

昨年のCESでのAndroidは、4G LTEやデュアルコアCPUをアピールする「スペックの戦い」だったが、今年は大きく様相が違う。通信に関しては4G LTEモデルはもはや普通という感じで、単純な高速性ではなく、実際にそれがどう使われるか？　という具体性にフォーカスが移ってきた。その1つのあらわれがSeagateのPersonal Server 4G LTE（紹介記事はこちら）での4G、LGエレクトロニクスのリモートサーバー（紹介記事はこちら）のような通信の高速性を活かすデバイスだ。

パソコン内のメディアをネットワーク再生できるMotorola（モトローラ）のMotocastなどは他のデバイスと接続しての活用と言える。自動車のナビ、オーディオシステムとスマートフォンを接続して活用するジャンルではiPhoneが先行しているが、AndroidでもLGエレクトロニクスなどが意欲的に取り組んでいる。また、サムスン電子はAndroidとデジカメをWi-Fi接続してデータ転送を可能にするなど、他のデバイスとのWi-Fi連携に熱心だ。

また、テレビにつなぐためのHDMIポートの搭載も加速度的に進みそうだ。HDMIでは今後、2015年までのHDMI搭載機器の伸びの大きな部分をPCとモバイル機器になると予想していたが、現実のものとなりそうだ。Androidでは、単純にHDMIでテレビとつなぐだけでなく、テレビで使うためのメニューを搭載する機器も増えてきた。Xperia SはブラビアLink対応でブラビアテレビのリモコンで操作できるのが先進的だ（Xperia Sのファーストインプレッション記事）。

さて、周辺との組み合わせが面白くなる一方、本体に関してはより使いやすくなる試みも出てきている。モトローラのSmartActionsではパターン動作を自動化することで、操作を楽にしようとしているし、ソニー・エリクソンは独自のメディアプレイヤーでメディア再生をCoolなものにしている。今後は本体にしても単純なハードスペックや小手先のホーム画面のカスタマイズではなく、どれだけ付加価値を加えて差別化できるかが勝負になっていくだろう。

また、今年はタブレットが大きな存在感を持って、大きなスペースで展示されていた。画面の大きなタブレットはビジネス用途に加えて、メディア用途が強力にアピールされている。SeagateのPersonal Server 4G LTEもAndroidタブレットとの連携アプリが用意されているし、モトローラのMOTOCASTやDLNAブースでもメインのデモはタブレットで行われていた。今後、タブレットはメディアプレイヤーとして普及が進むことだろう。また、Tegra3搭載機は高いパフォーマンスでゲーム機としても注目されそうだ。