しかし、先月「ファーウェイ特集」と題した企画を3回に渡ってお届けしているので、GS02に関する記事もその特集のひとつとして紹介したいと思う。第1回では「『HW』が入った機種名で知られるHuawei(ファーウェイ)ってどんなメーカー?」のタイトルで同社の概要を紹介し、第2回と第3回ではソフトバンク向けスマートフォン「Vision 007HW」について紹介している。興味のある方はそれらの記事もあわせてチェックしてほしい!
さて、第4回ではGS02を同社広報担当者によるプレゼン内容もまじえて紹介したい。続く第5回/第6回では実機を触った上でのレビューをお届けする。
≪GS02の概要≫
まずはカタログデータから概要を軽くおさらいしよう。
GS02はイー・モバイルのスマートフォン・ラインナップにおいて、これまでで最もハイスペックの端末だ。特に高速駆動のCPUによる快適な動作性能、大容量バッテリーによる優れたスタミナ、高速データ通信への対応、高精彩ディスプレイの採用による美しい映像表現、HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)対応カメラによる高品質な写真撮影機能が特長として挙げられる。
各要素を仕様でみれば、OSはAndroid 2.3.5でプロセッサは米Qualcomm製MSM8255T(1.4GHz駆動)、内蔵メモリは512MB RAM、4GB ROM、バッテリー容量は1,880mAh、データ通信はイー・モバイルの下り最大14.4Mbpsに対応、ディスプレイは4.0インチのフルワイドVGA(480×854)液晶で、明るく色鮮やかな表示が可能、メインカメラの有効画素数は約800万画素で、HDR機能を利用できる。これにより、明暗差の大きな写真でも、白飛びや黒つぶれを軽減した美しい写真を撮ることができる。
1,880mAhのバッテリーを搭載することによる優れたスタミナ性能は特筆すべきもので、通話は連続約540分、待受は連続約500時間、「Pocket WiFi」(テザリング機能)は連続約330分利用できる。テザリングを連続で約330分利用できる能力は、専用のモバイルWi-Fiルーターとも十分以上に張り合えるレベルだ。
外出先でノートPCやタブレットなどをGS02経由でインターネットに接続したい場合でも、バッテリーの消費をあまり気にせずに長時間利用できることは嬉しい。
端末のサイズは約61.5×122×10.9mm(最厚部:11.5mm)で、重さは約134g。カラーラインナップはホワイトのみだが、ピンクのリアカバーが同梱されるので、着せ替えを手軽に楽しむこともできる。
なお、GS02のベースは同社が9月に発表したスマートフォン「Honor」。それをイー・モバイル向けにカスタマイズしたものがGS02だ。
ホワイトの標準カバーを取り付けた状態
パッケージに同梱されるピンクのリアカバーを取り付けた状態
≪GS02のプレゼン概要≫
続いてファーウェイ・ジャパン広報担当(端末本部 マーケティング・ソリューション統括部 インテグレーテッド マーケティング部 PRマネージャー)、天本氏によるGS02のプレゼンの概要を紹介。開発コンセプトや背景話もまじえたもので、とても興味深い。GS02の主な特長に焦点をあてた構成で、購入を検討している方には参考になるはずだ。
●大容量バッテリー搭載スマートフォンGS02
GS02最大の魅力はやはり大容量バッテリー。カタログにも連続通話時間約9時間、Pocket WiFiの連続通信時間約5.5時間、連続待受時間約500時間と大きく書かれている。
ファーウェイがGS02の開発に取り掛かる際に重要視したのがバッテリー。他社製スマートフォンにもとても魅力的な製品が多くあることはスタッフも当然知っている。しかし、一般的にスマートフォンには連続駆動時間の短さ、すなわちバッテリーの持ちの悪さを不満に思う声が多くある。スタッフはその点に着目した。しかも、3月に発生した東日本大震災では多くの方がバッテリー残量がなくなることでスマートフォンが使えなくなる不安を経験している。
“やはり、できるだけ長い時間利用できる端末にしよう”というのがGS02の開発コンセプト。そこで、可能な限り大容量のバッテリーを採用した。
さらに、一般的なAndroid 2.3搭載スマートフォンと比べて消費電力を約35%削減することに成功した。バッテリー容量増と消費電力削減、双方の効果によって卓越したスタミナ性能を実現した。
●高速CPUと高速通信を実現
大容量バッテリー、消費電力削減により驚異的なスタミナの実現には成功しても、ストレスの溜まる動作速度や通信速度では意味がない。サクサクとスムーズに動く快適さ、速い通信速度も重要。誰もがそう思うはずであり、そのため、1.4GHz駆動の高速CPUを採用し、イー・モバイルの下り最大14.4Mbpsのデータ通信に対応させた。イー・モバイル向けの従来機種の下り最大速度は7.2Mbpsなので、GS02は理論上の最大速度は2倍となる。
●ワンタッチでテザリング可能なPocket WiFi ウィジェット搭載
スタミナ、快適な動作・通信性能に加え、テザリングも快適に利用できるようにさせたい。モバイルWi-Fiルーターを買った場合には、やはり月々の利用料金が重く圧し掛かる。スマートフォンで快適にテザリングを利用できれば、それに越したことはない。GS02にはホーム画面に設置できるPocket WiFi(テザリング機能)のウィジェットを用意。これを使えば、まさにワンタッチでオン/オフすることができる。初心者でも手軽に利用可能だ。
しかも、最大で8台までのWi-Fi(無線LAN)機器を同時接続することができる。外出先でノートPCやタブレット、他のスマートフォン、携帯ゲーム機などをまとめてインターネットに繋げるようにした。
●ワンタッチでブラウザ、カメラ、通話機能を起動可能
“スマホってすぐロックされるから、ネットみたり、通話や写真撮影がワンステップでできない!”という不満の声への対応として、ワンステップで基幹アプリを起動できるロック解除スクリーンを用意した。リングスタイルのロック解除UIでは、指を上にドラッグすればブラウザ、右だと通話、左だとカメラが即座に起動する。単にロック解除をするだけなら下へドラッグだ。
しかも、この操作は片手で持った状態でも簡単にできる。
●HDR機能搭載カメラ
最近のスマートフォンに搭載されているカメラは十分以上の性能を持っており、日常の大抵のシーンではデジカメを不要と考えるユーザーも増えてきている。しかし、そのような流れがあるからこそ、すなわち利用頻度が高いからこそ、スマートフォンのカメラ性能をより高めるべきと考え、HDR機能を搭載した。HDR機能は、露出の異なる複数枚の写真から合成する機能のこと。
スライドの例では、HDRがオフの写真では白飛びしてしまっている。しかし、HDRをオンにすると改善され、より自然な写真を撮影できている。実際、こうした風景や明暗差の大きいシーンの撮影で威力を発揮する。空を含めて風景を撮影する際などに本当に心強いはずだ。
●持ちやすいサイズ
スマートフォンは高機能になればなるほど、例えばバッテリーにしても大容量になればなるほど、サイズが大きくなってしまう。大きな端末だと、持ちづらく、操作し難くなる。開発にあたって、この問題はどうしても解消すべきと捉え、横幅を広げ過ぎず、かつ薄く、女性の手でも持ちやすいサイズに収めた。
同社デザイン担当者曰く、幅が65mmを超えると人間は感覚的に大きく感じるのだという。GS02は65mmを大幅に切っており、それでいて大容量バッテリーを搭載させることに成功した。
●多機能文字入力エンジンFSKAREN(エフエスカレン)を搭載
FSKARENは富士ソフトが開発・提供する日本語入力システム。ファーウェイのスマートフォンでは、ソフトバンク向け「Vision 007HW」にも採用されている。また、Android Marketから入手し、他社製スマートフォンに導入することも可能だ。
FSKARENは非常に多機能かつタッチジェスチャー機能とフリック入力を効果的に活かしている点が魅力の入力システム。入力方式としてはQWERTY、ケータイ入力、手書き入力に対応。そしてケータイ入力のみならず、QWERTYでもフリック入力を使える。
例えば、アルファベットキーを上にフリックすると大文字で入力、下にフリックすると数字や記号をワンステップで入力できる。入力モード切替やカーソル移動などもタッチジェスチャー(フリックと基本的には同じ)で快適に行える。秀逸なのがカーソル移動で、専用の十字キーが用意され、上下左右にフリックすることで方向をセット、あとは長押しすることでセットした方向にカーソルを連続移動させることができる。
快適な入力システムを採用している点もGS02の特長の一つ。
●お得な本体価格+料金プラン
最後に気になる値段について。契約種別によって異なり、「ベーシック」では49,800円、「シンプルにねん」で39,800円、「シンプルにねん+アシスト1600」で100円。「シンプルにねん」、「シンプルにねん+アシスト1600」で契約した場合の月々の基本的な利用料金(「EMnet」含む)は月額割適用の結果、前者が3,795円、後者が5,395円となる。詳しくは下表参照。
月額料金例(イー・アクセス報道発表資料より) |
続く第5回では実際にGS02を触った上でのレビューを、ハンズオン動画、写真をまじえて紹介する。
第5回へ続く
第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回
【情報元、参考リンク】
ファーウェイ・ジャパン
GS02製品紹介ページ