米Googleは現地時間22日、近距離無線通信技術「NFC」(Near Field Communication)の実証実験を日本の東京都内で行っていることを明らかにした。NFCはFeliCaの上位規格で、ユーザーが利用できる実際的な機能及び活用サービスは国内で普及しているおサイフケータイと同種だ。Android(アンドロイド)がバージョン2.3(開発コード「Gingerbread」)からサポートを始めたことで、米国や日本など各国で関連各社がサービスの準備や実証実験に取り組んでいる。
特にGoogleは積極的で、5月下旬にはAndroidスマートフォン向けの電子決済サービス「Google Wallet」を発表した。Google WalletはNFCを活かした決済サービスで、まさに国内の「おサイフケータイ」のような姿がイメージされている。すでにニューヨークとサンフランシスコで試験的にサービス提供が始まっており、今夏にエリアが拡大され、本格的なステップに進む予定。
国内でも将来的なNFC普及を見据え、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルら通信各社が年初以降、実証実験などの準備を始めている。
Googleが今回明らかにした東京での実証実験は、Google日本法人のオフィス(六本木ヒルズ内)がある六本木付近の協力店舗約20店に試験用のNFCのデータステーションを設置したことだ。このステーションにNFC対応スマートフォンを近づけると、そのお店の情報を入手することができる。データは「Google プレイス」と連携し、即座にそのお店のユーザーレビューなどを確認することが可能になっている。
同社が米国のみならず日本での実証試験を開始したのは、日本が携帯電話向け近距離無線通信技術及びそれを活かしたサービスの先進国だからだという。実際、NFCはおサイフケータイを後追いする格好にあるため、日本での利用例は大いに参考になりそうだ。
さらに興味深いことにNFCは単純におサイフケータイの置き換えサービスになるだけでなく、赤外線通信の代替にもなる可能性が高まっている。一般的に赤外線通信ではプロフィール(電話帳)データのやり取りなどに用いられるが、すでにNFCを活かしたプロフィールデータの交換アプリなども開発・登場してきている。加えて、NFCをゲーム内で活かそうという動きも出てきている。
想定される利用シーンが幅広いだけに、国内普及も期待されるNFCだが、対応端末も今冬以降のモデルで登場する可能性が高まっている。2012年以降、段階的に普及していくかもしれない。
【情報元、参考リンク】
Google Places Community Blog/Connecting Business Owners and Customers in Tokyo
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