非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を用いた携帯電話向けICチップを中心とするデバイスやシステムの開発・販売を手がけるフェリカネットワークスが、近距離無線通信の国際規格である「NFC」(Near Field Communication)を使ったシステムの開発に乗り出すことが明らかになっている。日本経済新聞が7日に報じた。
NFCはFeliCaの上位規格にあたり、基本的にはFeliCaと同種の機能を有する。10cm強の非常に短い距離において通信が可能な非接触通信技術で、今後世界的に普及することが見込まれている。特にFeliCaの一般普及がほぼ完了した日本と異なり、海外では非接触通信技術を搭載した携帯電話の普及と、そのサービスの整備はこれからだ。
NFCは米Googleが開発するOS「Android」がバージョン2.3(開発コード「Gingerbread」)からサポートしたことで、今後の普及は確実と見られている。日本に関してもFeliCaが定着したとはいえ、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクら通信事業各社は関連企業と協力し、NFCへの対応準備も進めており、実証実験も始まっている。
フェリカネットワークスはFeliCaの開発で培った技術・ノウハウを活かし、NFCを利用したシステムの開発に取り組み、海外展開までをも見越しているようだ。
具体的な予定としては、半導体メーカーと共同でNFCに対応したICチップを2012年を目処に開発する。このチップは携帯電話端末メーカーに売り込む目的で開発される商品で、同社は同時にそれを活かすためのサービスの開発にも取り組む。電子マネー、電子クーポンなどのためのシステム/サービスだ。
2011年中にNFCが一般に広く浸透することはないだろうが、2012年には世界的に市場が大きく立ち上がる可能性が十分にある。そして、NFCのよいところは国際規格のため、一部のサービスは国内外問わずに利用できるかもしれないことだ。
【情報元、参考リンク】
日本経済新聞
フェリカネットワークス
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