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Amazon、独自のAndroidアプリ・マーケット開設及びタブレット端末を投入か?

27日、米TechCrunch及びTechCrunch Japanは米通信販売大手Amazonが独自のAndroidアプリ・マーケットを開設し、タブレット端末を投入するようだと報じている。すでにこの件はTwitterほか、国内の多くのSNSはもちろんとして、様々なメディアでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思うが、AmazonがAndroid市場に参入することが確かであれば、非常に大きなプレーヤーになる可能性がある。それだけに日本での注目も高い。

重要な点は2つ。先に述べたように、同社自らがアプリ・マーケットを開設するようだということ。そして、独自のAndroidタブレットを開発中と見られることだ。

AndroidアプリのマーケットはGoogleが運営する「Android Market」以外に、サードパーティからも複数の独自マーケットが設立されている。日本でもNECビッグローブから「andronavi」が展開されているし、国内外を問わず端末メーカーやその他の企業から複数のマーケットが準備されている。

もはや数としては十分以上に揃っている感があるマーケットだが、課題もある。ユーザーが最も高い関心を持つマーケットはやはり「Android Market」であり、それしか知らないという方が大半だろう。そのため、サードパーティのマーケットはまず、ユーザーに知ってもらわなければならない、という厳しいハードルがある。さらには優秀なアプリを潤沢に揃えなければならない、という課題もある。

この2点がクリアされなければ市場で成功することはできないだろう。

ところが、この2点をクリアするための強力な武器や土台をAmazonは元から手にしている。認知度だ。Amazonの名は世界中で知られる有名ブランドであり、同社は自社製品を自社サイト内で大々的にPRできる強みも持っている。それは同社の電子書籍リーダー「Kindle」の例を見ても明らかであり、Amazon.comなどの自社サイトでの宣伝効果は非常に大きい。

同じことをAndroidタブレットでもできると考えれば、少なくともある程度の台数を捌くことは可能だし、アプリ・マーケットのユーザーや、アプリを供給するデベロッパーの確保にも見込みがある。これは他社にはない強みであり、Amazonならではの力だ。

さらに、同社としては電子書籍、音楽、動画などに加え、アプリという新たなコンテンツを手に入れることにもなる。実現すれば同社の電子データ・コンテンツのラインナップには穴が無くなる。ユーザーの側から見ても、Amazonで電子書籍、音楽、動画、アプリ、全てを購入できるのであれば、アカウントも一つで済み、利便性は高い。その上、Amazonには莫大な数の商品レビューデータとそのシステムもある。これもユーザーにとっては大きな魅力だろう。

とにかく最終的にどのような製品やサービスが登場するのかはわからないが、非常に興味深い話だ。

なお、TechCrunchでは、AmazonのAndroidアプリ・マーケットについて次のような情報を載せている。

アプリ1本につき、購入価格の70%または購入日における表示価格の20%のいずれか高い方と同額のロイヤリティーをAmazonがアプリ・デベロッパー(パブリッシャー)に支払う。Amazonのアプリ・マーケットのデベロッパー登録には99ドルが必要。アプリを他のマーケットでも提供している場合、他でアップデートした時にはAmazonのマーケットでも同時にアップデートしなければならない。アプリにはAmazon DRMを組み込む義務があり、AmazonのマーケットにあるアプリはAmazonが承認した端末でしか利用できない。

とはいえ、本当にこの試みが成功するかはわからない。端末メーカーは皆が同様に独自マーケットの開設に取り組んでいるが、潤沢なコンテンツを揃え、多くのユーザーに受け入れられている例はまだ聞こえてこない。Amazonのマーケットやタブレットも同じように厳しい状況に遭遇するかもしれない。

特に最近は国内外の多くのメーカーからAndroidタブレット製品の発表が相次いでおり、すっかり乱立状態と化してしまった。この中でどのメーカーや企業が抜け出し、ポジションを確立するのかはまだ見えていない。

【情報元、参考リンク】
TechCrunch Japan/Amazon、Android向け独自アプリストア開業へ
TechCrunch Japan/AmazonがAndroidアプリストアの開店と並行してタブレット機を出すという噂あり

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