台湾の携帯電話端末メーカーHTCは現地時間26日、同社のAndroidスマートフォン「HTC Desire」とGoogleブランドで販売する端末「Nexus One」のディスプレイを韓国Samsung Mobile Display社の有機ELから、Super LCDに変更することを正式に発表した。ただし、同社はプレスリリースの中で変更の原因には触れていない。それでも同社CEO、Peter Chou氏の発言の中には理由を推測できるフレーズが入っている。Chou氏は「新しいSuper LCDディスプレイは高い需要を即座に満たすために、我々の生産能力を引き上げてくれるだろう」と述べている。今夏後半以降にリリースされる「HTC Desire」「Nexus One」の生産数・出荷量は増大する見込みだ。
Chou氏はSuper LCDに切り替えることで生産能力が向上する、と述べている。結局の所、この問題は、Samsung Mobile Display社からの有機ELの出荷数が少なかったことが原因と見られている。これは以前から噂されていたことであり、実際に「HTC Desire」などは在庫不足が続いていた。
国内に関しても「HTC Desire X06HT」の販売が終了し、代わりにSuper LCD搭載の「X06HTII」が発売になる。
また、カナダの通信事業者TelusがSuper LCD搭載の「HTC Desire」を販売することはすでに周知の事実だ。今回のHTCからの発表は、日本、カナダだけに留まらず「HTC Desire」と「Nexus One」が全体としてSuper LCDに切り替わることの確認となる。今後は有機ELディスプレイを搭載した「HTC Desire」と「Nexus One」の販売がなくなる、ということだ。
気になるSuper LCDと有機ELの違いについては「HTC Desire、X06HTとX06HTIIの違いを検証(有機EL vs Super LCDの比較動画もあり)」の記事で詳細を記しているが、今回のHTCの発表でもSuper LCDの特長が紹介されている。当然ながら切り替え品となるSuper LCDの良い点が記されている。
まず、Super LCDはLCDの中でも最新世代にあたる液晶パネルだ。従来のLCDパネルに対して、電力管理能力が5倍程度改善されたことで、消費電力が低く抑えられるのだという。加えて、とても広い視野角が提供され、映像表現も有機ELパネルと比較しても同等レベルにあるとされている。広い視野角の確保はソニーの新しいVSPEC III技術の賜物だ。
同社は、基本的にはSuper LCDの能力はとても高いレベルにあると強調している。しかし、有機ELが市場で非常に高い評価を受けるパネルであることも確かだ。
有機ELとSuper LCDの差は実際に自分の目でディスプレイを見て比較するのが一番だ。理論的な性能比較よりも、好みの個人差があるためだ。国内に関しては幸運にも29日までに予約すれば有機ELディスプレイを搭載したHTC Desireを購入することができる(予約状況次第では29日を待たずに終了)。有機EL版が欲しい方は早めに予約し、Super LCD版が良い方は8月3日以降にX06HTIIの予約受付が始まるので、それを待てばいいだろう。
【情報元、参考リンク】
SlashGear/HTC make Super LCD for Desire and Nexus One official
Photo by HowardForums.com.
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